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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1898/2601

千八百九十八 玲緒奈編 「うぶるるる!。ぶあう!」

九月七日。火曜日。曇り。




今日は波多野さんの誕生日。でも、本人がバイトで帰るのが遅くなるから、パーティは辞退するってことになってる。次の木曜日に、千早ちゃんがケーキを作って夕食の時に簡単にお祝いするだけの予定だ。こんな風にパーティとかもしにくくなっていくんだろうな。今は特に、『新型コロナウイルス感染症』のこともあって、集まったりするのが憚られるし。


ところで、昨日注文したドライブレコーダーが、早速届いた。それを玲那が使えるようにしてくれる。あと、玲緒奈れおなの前ではなるべく使わないようにしなくちゃね。


でも、


「これ、いろんなところに取り付けられるようになってるんだけど、それ用の部品がどうしても余るんだよね。せっかくだし、ベビーカーにも付けとく?。散歩のときにカメラ付けられるよ」


とのことだったので、付けてもらった。今日はもう夜だから出掛けないけど、明日の散歩からさっそく使おう。


ところで玲緒奈の方は、ますます順調に育ってくれてる。ここまで病気らしい病気もしてない。離乳食については慎重に進めてるけど、食欲はあって、特にご飯が気に入ってくれてるみたいだ。今はもちろん『おかゆ』だけど、ご飯の甘みが気に入ったのか、モリモリ食べてくれる。と同時に、ミルクも今では『フォローアップミルク』というのに変わってる。しかもそれを、自分で哺乳瓶を掴んで「んぐんぐ」と飲んでくれるんだ。


で、飲み終わると、その哺乳瓶を床にガンガンと叩き付けて、


「うぷあーっ!。ぶ、ぶあーっ!」


とか抗議するみたいに声を上げてる時がある。ただ、物足りないのかと思ってさらにミルクをあげても、


「うぶるるる!。ぶあう!」


って何か文句を言うばかりで、別に飲もうとしないんだ。何が不満なのか分からないものの、


「ふんふん、そうなんだ?」


と僕が彼女の言葉に耳を傾けてると、


「ぶばっ!」


みたいに声を上げながら手を振り上げて、「どやあ!」みたいな表情をしたりもする。その様子を見てるうちに、


『ひょっとして、ミルクについてのウンチクを語ってる感じかな?』


と思うようにもなった。自分が飲んでるミルクについて彼女なりに語りたいことがあるのかもしれない。だから僕が耳を傾けてると納得してくれて、気が済むのかもね。


それがどこまで事実なのかは分からないにせよ。そこからぐずり出したりするわけじゃないから、たぶん、問題はないんだと思う。


とにかく、彼女の態度の一部分だけで判断するんじゃなく、全体の様子を見ていかなきゃって思うんだ。



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