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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1864/2601

千八百六十四 玲緒奈編 「人にはそういう時期が」

八月四日。水曜日。曇りのち晴れ。


今日もまた猛烈に暑かった。




昨日の、『傘が後輪に巻き込まれて危うく転倒しそうになってた事故』について、帰ってから沙奈子に話をして、


「こういうこともあるから自転車で傘を使うのはダメだよ」


と諭しておいた。それに対して沙奈子は、


「うん、分かった」


と言ってくれる。実際、沙奈子は傘差し運転はしない。僕がずっと傘差し運転をしないようにしてたからだと思う。


でも、こう言うと、


『レインポンチョが車輪に巻き込まれる事故とかもあるだろ!』


と言う人もいるだろうな。確かにそういう事故もあるのかもしれない。だけどそれは、『正しくない使い方』をしてたからじゃないの?。『傘を自転車のフレームに挟んでおく』のも、『正しい使い方じゃない』よね?。自転車のフレームは、傘を挟んでおくためにあるんじゃないよね?。


『正しくない使い方』をしていて事故になったのなら、それはその人の責任なんじゃないの?。


問題は『正しくない使い方をしてる』ことであって、使ってるのが傘なのかレインポンチョなのかは関係ないと思うけどな。


『レインポンチョが車輪に巻き込まれる事故とかもあるだろ!』とか言って自分が傘差し運転をしていることを正当化できるとでも思ってるんだろうか。僕は、沙奈子や玲緒奈れおながそんなことを言ってたら悲しいよ。


ましてや、『ルールを守らない自分ってカッコイイ!』とか考えてたら本当に情けない。人にはそういう時期があるものなのかもしれなくても、大人になってもそのままというのだったら、どこが『カッコイイ』っていうのかな。


『正しくない使い方』で言うと、ベビーカーでも『正しくない使い方』で事故とかが起こったり周りに迷惑を掛けたりすることはあるだろうから、気を付けたいと思う。だけど、『正しくない使い方をしてるわけでもないのに気に入らないから攻撃する』という人がいることも残念だ。


そういう人は結局、自分のストレスを他者に転嫁することで解消しようとしてるんだろうな。だって、沙奈子も絵里奈も玲那もそんなことしないし、僕もそんなことをしたいとは思わない。でも同時に、沙奈子や絵里奈や玲那を苦しめたり傷付けようとするのが現れたらそれがストレスになって攻撃的になってしまう予感はすごくある。


特に、玲那を罵る連中の存在はすごいストレスになってる。それを思うと、別に直接玲那を罵倒してるわけでもない、他の誰かを罵倒してる人に対しても、『事故にでも遭えばいいのに』とつい考えてしまう。そして、ついそう考えてしまっても表に出さずに済んでいるのは、今、僕の前で楽しそうに笑顔を見せる玲緒奈や、沙奈子や、絵里奈や、玲那の存在が僕のストレスを緩和してくれてるからなんだ。



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