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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百六十二 玲緒奈編 「同じようにしろとは」

八月二日。月曜日。晴れ。




暑い。とても暑い。夜になっても涼しくならなくて、リビングのエアコンは一日ずっと稼働してる。玲緒奈れおながいるからね。大人は多少の厚さは我慢すればいいとしても、赤ん坊にそれをさせるのは、命懸けだよ。


赤ん坊にそんな我慢させるのなら、大人も『もしかしたら死ぬかもしれない』状態で我慢しないとおかしいと思う。だから僕たちは、散歩も、夕方、ルートのほとんどを建物の影の中を通れるようになってから出ることにしてる。


それでも暑いから、時間も三十分程度に抑えることにした。


帰るとまず、お風呂に入る。汗をかいたままにしてると、あせもになるかもだからね。


これを、僕と絵里奈が一日交替で行ってるんだ。同時に、玲緒奈の散歩に行かない方は買い物に行く。スーパーは夕方から値引きも始まるわけで。


本当は、散歩のついでに買い物に行きたいんだけど、こんな状況で人の多いところに玲緒奈を連れて行くのはやっぱり抵抗がある。下火になりつつあるとは言ったって、完全に収まったわけじゃないみたいだし。


ところで、玲緒奈に支払われる給付金については、彼女のために取っておこうかなとも思ったんだけど、それはまた別に考えればいいかということで、玲緒奈用の諸々の消耗品に使わせてもらうことにした。あと、B型と言われるタイプのベビーカーを、ネットで注文した。座面がすべてメッシュになってて通気性のいいのを注文したんだ。明日には届く予定。給付金はまだだけど、この辺りだと給付そのものは明らかに夏が過ぎてからになりそうだから、先取りして。


これでいくらかはマシになると思う。


僕が受け取る分は沙奈子の電動アシスト自転車に充てて、絵里奈が受け取る分は、玲緒奈のためにリビングのエアコンを一日中使ってることで跳ね上がった電気代に充てて。


一方、玲那は、アニメグッズを買い漁る予定らしい。


僕と絵里奈が沙奈子や家のために使うからって、玲那にも同じようにしろとは僕は言いたくない。僕も絵里奈も、自分がそうしたいから望んでそうしてるだけだし、沙奈子や玲緒奈のために使う形になるとしても、僕たち自身がそれをしたいからなんだ。


それにほら、僕が自転車屋、絵里奈は電力会社、玲緒奈の分はベビー用品、そして玲那はアニメ関連ってことで、ジャンルも綺麗に分かれるし。経済対策だって言うのなら、まんべんなくいろんな形でっていうのが望ましいんじゃないのかな。


その意味だと沙奈子が何に使うのかって話にもなるけど、彼女は、水族館でグッズを買う感じかな。ドレス作りに必要なものは、『SANA』の経費に計上してるしね。



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