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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百六十一 玲緒奈編 「お金でストレス発散しなくても」

八月一日。日曜日。晴れ。午後から夕立。




「特別定額給付金の申請用紙が届いてましたから、申請しておきますね」


絵里奈がそう言ったから、


「うん。お願い」


僕は、玲緒奈れおなのおむつを替えながら応えた。すると玲那が、


「いや~、一人頭十万円か~。ということは、うちは家族五人で五十万円だよ。ただ、一人十万円って言ったら結構な額だけど、仕事が減ってたり勤め先が倒産したとかした人にとっては、雀の涙かなって気もする」


って。


「確かに、僕たちはそれほど大きな影響は受けてないけど、波多野さんが正社員に登用されるはずだったのが延期になったりして、影響がまったくないってわけでもないよね」


応えた僕に、玲那はさらに、


「そうなんだよ。『SANA』のお客さんの中にも、バイト先が潰れたとか解雇されたって人もいてさ。売り上げも横這いなのは、新型コロナの影響かもしれないって気はするよ」


とも。その中で給付金が支払われることになったのは、確かに助かる。


そして夜。僕が玲緒奈をお風呂に入れてる間に鷲崎わしざきさんからビデオ通話があって、


「給付金が出たら、結人ゆうとに電動アシスト自転車を買ってあげようと思うんです」


という話が。


「いいじゃん!。これでみんな電動アシスト自転車で出掛けられるじゃん!」


玲那が言ったことで、本決まりになったそうだ。実は僕たちや山仁やまひとさんが沙奈子や千早ちはやちゃんや大希ひろきくんに電動アシスト自転車を買うことになったのも、今回の給付金がホントに支払われるらしいってなったことがきっかけというのもあった。


給付金を出すことになったのも、ある意味、『経済対策』という意味もあるらしいから、僕たちもぱ~っと使っちゃおうと思ってる。そして、沙奈子にも、そのまま渡そうと思ってるんだ。大希くんもイチコさんにも、山仁さんはそのまま渡すって。


ただ、千早ちはやちゃんは、


「ま~、あの人は、確実に自分の懐にいれるよね。変に口出ししたらへそ曲げるの分かってるし、何も言わないでおこうと思ってる」


自分のお母さんについてそんな風に言ってた。


残念な話だけど、そういうのも世の中には多そうな気がする。


けれど、沙奈子は、最近でこそ水族館に行った時なんかにグッズを買ったりもしてるけど、すごく理性的な使い方で、大希くんも、使う時は一気に使うけど、だからってお金を欲しがるような素振りは見せない。イチコさんに至っては、何ヶ月もお小遣いを貯めて自分でゲーム機を買ったりする人だったそうだ。


千早ちゃんも、山仁さんからもらってるお小遣いを大事に使ってるって。


それは結局、お金でストレス発散しなくても済んでるからなんだろうなっていう印象がある。



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