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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百五十六 玲緒奈編 「現実的ではないのです」

七月二十七日。火曜日。晴れ。




星谷ひかりたにさんは続ける。


「現在の日本社会は、『年収一千万円に届かない層』を意図的に作り出すことで生み出した原資を『年収一千万を得ている層』に振り分ける形で成り立っているのが現実ですよね?、それで、『年収一千万円以上の所得がある世帯以外は社会のお荷物である』だなどと、なぜ言えるのか私には理解できません。その『お荷物』のおかげで自身の収入が成立しているのではありませんか?。


正直申し上げて、現時点では、『SANA』も、『年一千万円の給与』をお支払いできる状態にありません。つまり『SANA』は、『年収一千万円以上の所得がある世帯以外は社会のお荷物である』とおっしゃる方の理屈では、『社会のお荷物しか生み出せない企業』ということになります。


確かに、社員全員に年一千万円の給与を出せるような企業でなければ、その通りなのかもしれません。ですが、今現在、この日本で、すべての社員、従業員に、年一千万円の給与を支払えている企業がどれだけあるとおっしゃるのでしょう?。社員や従業員全員に年一千万円の給与を支払えるだけの企業がどれだけあるとおっしゃるのですか?。意図的に社員や従業員全員に年一千万の給与を支払っていないのであれば、それは、『社会のお荷物を生み出す企業』なのではないですか?。


そのような企業が、一部の社員や従業員に年一千万の給与を支払っているからと言って大きな顔をするのはおかしくないでしょうか?。社内に『社会のお荷物になる層』を意図的に作り出すことで一部の社員や従業員に年一千万の給与を支払っていて、それで社会的責任が果たせていると言うのでしょうか?。私は甚だ疑問です。


ですが、現実問題として、今の『SANA』が、『すべての社員・従業員に年一千万の給与』を実現できていないことも事実です。その事実を否定するつもりはありません。また、すべての社員・従業員に年一千万を超える給与を支払うためには、年商一億円を上回る必要があるでしょう。正直なところ、現状のビジネスモデルでそれを実現するのは、容易ではありません。国内需要だけではおそらく実現不可能でしょう。市場の大半を押さえることができれば可能かもしれませんが、それでは今度は、同業他社の業績を圧迫し、そちらの社員や従業員の方に年一千万の給与を支払うことができなくなってしまう可能性が高い。


現状、日本の国内需要の『パイの奪い合い』では、すべての世帯に年一千万の収入を実現するのは、現実的ではないのです」



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