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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百五十二 玲緒奈編 「法律はあくまで」

七月二十三日。金曜日。晴れ。




昨日の事故のニュースについてもそうだったけど、僕は、そうやって、事件や事故を自分たちに当てはめて考えるようにしてる。その上で、沙奈子や玲緒奈れおなに話しておかなくちゃと思うんだ。


沙奈子や玲緒奈が、将来、運転免許を取るかどうかは分からないけど、それでも、親として基本的なことは教えなきゃいけないって思ってる。それを教えないというのは、親として怠慢以外の何ものでもないって。


そもそも、これは、歩行者や自転車の立場でも同じことだ。


『交通ルールを守ることは、もちろん事故を起こさないためでありつつ、同時に、万が一、事故に遭遇した時にも、自分を守ってくれる』


というのを、ちゃんと教えておかなくちゃいけないと思うんだ。


たとえ自動車を運転中に人を轢いてしまったとしても、『確実に交通法規を守って安全運転を心掛けていたのに歩行者や自転車側のとんでもない行為が原因で事故になってしまったって場合』には、罪を問われない可能性もある。『だからこそ交通法規は守るべき』ってことで。そこで自分も交通法規を無視してたら、いくら歩行者や自転車側にとんでもない違反行為があったとしても、『でも、あなたも違反してたでしょ?』と言われたら、もうどうにもならないし。


ちょっと楽をしたかったから。ちょっと先を急ぎたかったから。ちょっと横着をしたかったから。『ルールに囚われない自分って、カッコいいよね』ってしたかったから。


そんな理由で交通法規を無視してそれで無罪になってもおかしくなかったところを有罪になるなんて、自業自得以外の何ものでもないんじゃないかな。


歩行者や自転車の立場でも、『交通弱者だから!』で完全に守ってもらえると思ったら大違いなんだそうだ。明らかな違反行為があったら、保険とかでも過失割合で相殺されて、治療費とかも満額補償されない場合もあるって。だから交通法規は守るべきだって。『自分自身を守るため』に。


星谷ひかりたにさんも言ってた。


「法律はあくまで、『法と規律を遵守し秩序の維持に努める無辜の者』を守ることが本来の役割です。確かに、法律を作る側が恣意的に一部の利権関係者に有利な法を作ったりということも事実としてあるかもしれませんが、それはそのような者を立法の府に送り込んだ側の責任もあるでしょう。なのでこれについてはまた別の問題として、基本的に法律を守るというのは『自らを守る』のと同義なのです。それをわきまえず『法に縛られない自分に酔う』という行為は、自らの首を絞めているに過ぎない。『法を守らない者』『ルールを守らない者』に対して憤るのなら、そういう輩が優先されることに憤るのなら、自らがその『法を守らない者』『ルールを守らない者』になってはいけないのだと私は思います」


と。まさしくその通りだと思う。『他の誰かがやってるから』で自分も法律を守らないルールを守らないなんて、幼稚な考え以外の何ものでもないと僕も感じるんだ。



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