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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百四十七 玲緒奈編 「償いの意味も込めて」

七月十八日。日曜日。晴れ。午後から夕立。




星谷ひかりたにさんは、『SANA』以外にも、今では二つの企業を立ち上げて運営してるらしい。もっとも、一番深く関わっているのは『SANA』で、他の二社については、星谷さんが実現しようとしてることと同じ目標を持ってる人との共同で立ち上げたもので、


「正直、野心に溢れる方々ですので、いずれ私の存在が邪魔になるようなことがあれば容赦なく切り捨てようとするでしょうね。ですが、企業においては決して珍しくないそれらについてもシミュレーションすることも目的の一つですので、たとえ損害を被ったとしてもそれ自体が私にとってはコストです。問題ありません」


とのことだった。本当に、僕には全く理解できない世界を見ているんだなって実感する。どうしてこんなすごい人が僕たちと親しくしてくれているんだろう……?。


でもそれも、単純に、千早ちはやちゃんと大希ひろきくんがいるからというだけのことなんだろうな。千早ちゃんと大希くんが沙奈子と親しくしてくれているから、あくまでその縁で親しくしてくれているだけなんだ。


沙奈子が、千早ちゃんと大希くんにとって、『親しくしていたい』と思ってくれる子じゃなかったら、この関係はなかったんだと思う。


玲緒奈れおなも、周りからそう思ってもらえるような子でいてほしい。


世の中には、確かに、周りの人を傷付けるような振る舞いをしていた人でもそれなりに成功を収めたりすることもあるかもしれないけど、過去の自らの行いが掘り起こされてたくさんのものを失ったりすることもあるよね。しかも今は、普段の自分の行いが記録に残ったりもしやすいし。


その中で、人を傷付けるような行いをしててそれが後々大きな問題となって自分に返ってくるという光景も、いくつも見てきたよね。


だったら僕は、やっぱり、大きな成功までは掴めなくてもいいから、ただ、身近な人たちと穏やかに暮らしていきたいと思う。それ以上は望まない。その一方で、星谷さんは、


「私は、かつて、何人もの人を傷付ける行いをしてきました。今ではそれを恥じていますが、いずれはその報いを受けることもあるかもしれません。分かっている限りでは、償いの意味も込めて支援を行わせていただいてもいますが、贖い切れているかどうかは、私自身にも分からないのが事実です。それでも私は、自らの行いである以上は、受け止めなければと思うんです」


とも言ってた。


彼女ほどの人でもそういう過ちはあるということなんだろうな。大切なのは、自身の過ちとどう向き合うかということなんだろうなってすごく感じる。



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