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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百四十 玲緒奈編 「それぞれがそれぞれの感覚で」

七月十一日。日曜日。曇り時々雨。




今日は特に予定もないし、みんな、基本的に家で寛ぐ。


で、千早ちはやちゃんと大希ひろきくんは、また、ビニールプールで遊んでた。でも、今日は、水着を持ってきてたけど。


「いや~、裸だとプールってよりお風呂みたいだからさ。逆になんか違うんだよね」


水着を着る理由が『恥ずかしいから』じゃなくて『プールって気分にならないから』っていうのが、実に千早ちゃんらしいと言うかなんと言うか。


大希くんも、


「僕は別にどっちでもいいけど」


と相変わらずだ。ずっと一緒にお風呂にも入ってきてたから、お互いに何とも思ってないらしい。そういう意味でも、二人はお互いを異性として意識してないんだろうな。体の違いだって、『そういうもの』としか認識してないみたいだ。


これについていろいろ言う人もいるだろうけど、二人がそれでいいなら僕は何も口出しするつもりもない。だいたい、僕だって、法律上は娘である玲那と一緒にお風呂に入ったりもするから、言えた義理じゃないし。それに、大希くんが千早ちゃんを異性として意識していない感覚も、僕が玲那を異性として意識してないのと似たようなものだと考えれば理解できる。


二人は、血は繋がってなくても『姉弟』なんだよ。本当の『姉弟』以上に『姉弟』なんだと思う。僕にとって玲那が『娘』であるみたいに。


しかも大希くんは、千早ちゃんだけでなく、イチコさんや波多野さんとも、日常的に一緒にお風呂に入ってたからか、女性の体に対して特別な意識は持ってないそうだ。当たり前に見慣れ過ぎてて。


『それで恋愛とかできるのか?』とか心配する人もいるかもしれないけど、別に、『恋愛して結婚して子供を』っていうのだけが人生じゃないんだよね?。だったらもし彼が恋愛とかに興味を持たなくても他人がとやかく言うことじゃないはずだよ?。それに、大希くんには、もう、星谷ひかりたにさんがいるから、なんにも心配は要らないと思う。


加えて、僕も基本的には女性に対して壁を張ってるけど、絵里奈に対してだけはそれもないから、


『好きになった相手にだけそういう気分になれればいい』


だけだよね?。それなら何の問題もないよね?。むしろその方が、浮気とか不倫とかの心配も減るだろうし。僕だって、今も、絵里奈以外の女性に対して特別な関心は湧かないし。


でも、だからと言って、沙奈子や結人ゆうとくんに対しても、『千早ちゃんや大希くんみたいになれ』とも言うつもりはないんだ。千早ちゃんは千早ちゃん、大希くんは大希くん、沙奈子は沙奈子、結人くんは結人くん。その当たり前の事実を認めればこそ、それぞれがそれぞれの感覚でいればいいと思うんだ。



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