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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十九 玲緒奈編 「できることを頑張ろう」

七月十日。土曜日。曇り時々雨。




今日もまた、水族館に行く。今回は星谷ひかりたにさんが一緒だから、玲那は僕たちと一緒に家で留守番だ。


しかも、裏庭のビニールプールで一人、寛いでたりも。


「ちょっと、羨ましいですね」


絵里奈がそう言うから、


「じゃあ、絵里奈も入ってきたらいいよ」


僕は玲緒奈れおなに離乳食をあげながらそう言った。


「でも…、いいんですか?」


絵里奈が遠慮するから、


「いいのいいの。絵里奈は離乳食作ったり家のことをしたり頑張ってくれてるし、たまには息抜きも必要だって」


玲緒奈に『あ~ん』ってしながら告げる。


そうだ。僕たちは、誰か一人が頑張れば家庭が上手くいくなんて考えてない。みんながそれぞれ頑張るから努力するからこの家は守られてるんだって思ってる。


僕と絵里奈と玲那の収入を合わせて、月に約六十万円。沙奈子がドレスを作って得てる分も合わせると、七十万円以上。贅沢をしなければ十分に暮らしていけるよ。


ただし、『新型コロナウイルス感染症』の件がこのまま終息してくれればいいけど、寒くなってもしまた流行が拡大するようなことがあれば、正直どうなるか分からないという不安もありつつ、でも、先のことを不安がってばかりでも仕方ないから、備えつつも気楽に構えていたいと思う。


それに、九月から絵里奈が仕事に復帰すると、満額の給与に戻るし。


ここまで、なんだかあっという間だった気がする。その中で、まさか、『新型コロナウイルス感染症』みたいな、たぶん、歴史の教科書にも載るようなことにも遭遇するとか、本当にこの世っていうのは何が起こるか分からない。自然災害については想定もしてたけど、『ペスト』とか『スペイン風邪』とか、歴史で学ぶようなことが起こるとまでは、本当に考えてもいなかった。


だけど、ペストが大流行してもスペイン風邪が大流行しても、その中でも人間は生きて暮らしてってしてきたんだから、今回のこともきっと乗り越えられるよ。


だからこそ、僕たちは、自分の暮らしを守る努力を続けるんだ。世界が終わるとかどうとか、そんなことには僕たちは関われない。そんなことを左右できるような大それた真似はできない。目の前のちっぽけな幸せを守るための努力を続けるくらいしか、できることはないんだ。


だったら逆に、できることを頑張ろう。こんな不安だらけの世の中だからってそのストレスを他人にぶつけて解消しようとかしなくて済むようにしよう。


世の中でそういうことをしてる人たちの行いと同じのを、もし僕たちがしてたら、果たして今の幸せを守れるかどうか、しっかりと考えていかなくちゃ。



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