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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十八 玲緒奈編 「何か困ったことをする子が」

七月九日。金曜日。雨のち曇り。




僕は、沙奈子や玲緒奈れおなが誰かをイジメるなんて許さない。


でも、それ以前に、沙奈子や玲緒奈が誰かをイジメずにいられないくらいに気持ちが荒んでることに気付けなかったとしたら、そんな僕自身を許せないと思う。


「イジメするヤツなんてさ、漫画やアニメじゃ嫌われもんじゃん?。憎まれ役じゃん?。なのになんで自分からそんな嫌われ者や憎まれ役になろうとするんだろうね?。私は、絵里奈やパパちゃんがそんなことしてるような人だったら好きになってないよ。それどころか、『死ねばいいのに』と思ってただろうな。昔の荒んでた頃の私なら。


しかも、千早ちはやとか千早のお姉ちゃんたちとか見てたら分かるじゃん。イジメするヤツって、結局、精神的に荒んでるからだよ。『イジメは、イジメられる側にも原因がある』とが言うのもいるけど、原因があったってイジメない人はイジメないじゃん。それをイジメるってことは、イジメ加害者側に問題があるって証拠じゃん。


沙奈子ちゃんは誰かをイジメたりしないじゃん。今の千早も誰かをイジメたりしないし、大希ひろきくんはそもそも最初からしないし、結人ゆうとは、イジメは前からしなかったかもだけど、暴力を振るうこともしなくなったじゃん。結局、そういうことだと思うんだ。イジメるヤツは、『誰かをイジメずにいられない状態』にあると思うんだよ」


玲那がそう言うとおり、僕は、沙奈子に、『誰かをイジメずにいられない理由』を作らないように心掛けてるんだ。誰かに自分のストレスを転嫁せずにいられないような状態にはしないでおこうと思うんだ。そうすれば、『イジメられる原因』を作るような子がいても、イジメずに済むと思う。


その上で、僕は、


「何か困ったことをする子がいても、沙奈子がどうにかする必要はないから。それは学校の先生や、その子の親が対処しなきゃならないことだから。それを先生やその子の親が何もしないのなら、それは先生や親の怠慢で、生徒がなんとかしなきゃならないことじゃないから。沙奈子がしなきゃならないことじゃないから」


とも、伝えてる。


「うん。分かってる……」


沙奈子はそう言ってくれる。


幸い、そこまで何か問題行動を起こす生徒は沙奈子のクラスにはいないそうだけど、実は他のクラスには、乱暴な言動が目立つ生徒もいるらしい。小学校の頃にはそうでもなかったのに、中学に上がってから段々乱暴になってきたって。聞くところによると、両親の中が上手くいってないとも。ただ、人伝だから正しい情報かどうかは分からない。


でももしそれが本当なら、すごく残念なことだと思う。と同時に、その生徒が結人くんと同じクラスにならなかったのは、幸いだったな。



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