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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十七 玲緒奈編 「自分から不幸を招くだけ」

七月八日。木曜日。雨。




今年は、沙奈子が通う学校ではプールが中止になったそうだ。さすがに『新型コロナウイルス感染症』が完全に抑えられてない今の状況だと、リスクがコントロールできないという判断なんだろうな。


『プールに入れないなんて可哀想!』


という声もあるらしいけど、


「マジか~!?。って思ったよ。ホント、ムカつく。新型コロナめ!」


千早ちはやちゃんは残念そうだけど、大希ひろきくんも残念そうだったらしいけど、沙奈子は人前で水着姿になるのは好きじゃないそうだから、逆にホッとしてるみたいだった。結人ゆうとくんも「メンドクセぇ……」と水泳の授業は好きじゃないらしいし、そういう人もいるんだろうな。


だからというわけじゃないけど、玲那がお風呂代わりに使えないかと考えて、でも結局はほとんど使わずじまいだった裏庭のピニールプールを活用することにした。


学校から帰ってきた千早ちゃんと大希くんが、


「ぎゃおーっ! ぎゃおーっ!!」


「あははははは!」


二人で楽し気にプールで遊んでた。二人とも裸で。いまだに平気なんだ。千早ちゃんは、服を着てても胸の膨らみが分かるくらいになってきてるのに、本人曰く、


「毛が生えてきやがったんだ!。じゃまくせーっ!!。胸もじゃまーっ!。要るかこんな脂肪の塊!!」


とかなんとか、まったく気にしてない。逆に大希くんは、ひげも腋毛も脛毛もまだまだ産毛の状態だって。明らかに成長が遅れてるようにも思えるけど、病院で検査もしてもらったそうだけど、特に異常は見られなくて。


だから、『そういうもの』ということで、僕たちは受け入れてた。


『普通じゃない』


なんて、どうでもいい。どうせ僕たちはみんな、『普通じゃない』んだ。しかも大希くんの場合は、


「彼の身長が低いくらい、何とも思いません。私はヒロ坊くんが好きなんです。愛しているんです」


星谷ひかりたにさんが断言してくれてるから、たぶん、『モテるとかモテないとか』なんてことも気にする必要もないだろうね。問題なのは、高校に行って身長のこととかを馬鹿にされたりしないかって心配もあるという点だけど、もしそんな理由で彼をイジメるようなのがいたとしたら、


「その時は、徹底的に容赦なく苛烈な対処を行います」


とも、星谷さんは宣言してた。もし、彼をイジメようなんてのがいたら、逆に可哀想だと思う。


だから僕は、沙奈子や玲緒奈れおなが他の子をイジメたりなんてことを許さない。そんなことをしたら自分から不幸を招くだけだからね。僕たちは、沙奈子や玲緒奈に幸せになってほしいんだ。わざわざ自分から不幸になりに行くのを見過ごすことはできないよ。



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