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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十四 玲緒奈編 「成長していく玲緒奈の様子を」

七月五日。月曜日。曇り時々雨。




今日も朝から、絵里奈と沙奈子が、一階の厨房で朝食の用意をしてくれている。そして僕は、二階のミニキッチンで、玲緒奈れおなのミルクの用意を始めてる。玲那は、玲緒奈のおむつを替えてくれてる。


「へいは~、ほっほほほはひふひへへへ~」


玲那が少し困った様子で声を掛ける。スマホが使えないから、息が漏れてるだけの音なんだけど、


『玲緒奈~、ちょっとおとなしくしててね~』


と言ってるのが、僕には分かる。でも、


「はあっ!?」


慌てた声がして、僕はハッと振り返った。すると、玲緒奈が足をバタバタさせてたことで、うんちが足についてしまったんだ。


「ほへ~ん」


『ごめ~ん』と玲那が申し訳なさそうに僕を見る。


「いいよいいよ。お風呂場で洗おう」


僕が言いつつ玲緒奈の服を脱がせて抱き上げると、玲那はシャワーの用意を始めてくれた。湯沸かし器のスイッチを入れて、シャワーを出す。すぐにはお湯にならないからね。


「ひいお~」


『いいよ~』と言いながらお風呂場から出てきた玲那と入れ替わりに、玲緒奈を抱えた僕がお風呂場に入る。そして、シャワーの温度を確かめてそれからお湯でお尻と足を洗う。


「うぴゃっ! うぷぷ~!」


玲緒奈は、お尻にシャワーのお湯が当たるのが面白いのか、笑顔で足をバタバタさせる。


ある程度流したところで、お風呂マットの上に横になってもらって、お尻にも前の割れ目の中にもうんちが残ってないかを確かめながらシャワーを掛ける。


「ぽえっ! ぽえっ! ぽお~!」


玲緒奈自身はご機嫌で手足をバタバタさせてる。実は、絵里奈や玲那だと、こうはいかないんだ。不思議と。ぐずって暴れて大変で。僕と何が違うのかは、よく分からない。ただ、二人は少し慌てたように困ったようにしてるから、それを玲緒奈も感じ取ってしまってるのかもしれない。絵里奈も玲那も決して悪気があって慌てたり困ったような感じでそうしてるわけじゃないけど、玲緒奈には不快なんだろうな。


そうだ。悪気がなくたって真面目に頑張ろうとしてたって、必ずしも上手くいくとは限らない。その事実を認めるのが大事だと思う。そして、僕がやったら玲緒奈がご機嫌でいてくれるなら、僕がやればいいんだ。ミルクや寝かし付けが絵里奈でも大丈夫になってきたように、玲緒奈の成長と共に、きっと、これも大丈夫になっていくと思う。


焦らなくていい。今の段階から強要しなくていい。成長していく玲緒奈の様子をしっかりと見守ればそれでいいと僕は感じながら、ベビー石鹸でついでに頭から全身を洗ってあげた。


僕の寝巻代わりのTシャツとスウェットもびしょ濡れだけど、洗濯すればいいだけだしね。



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