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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十一 玲緒奈編 「他者の楽しみ方にまで」

七月二日。金曜日。曇りのち雨。




『兵長』はともかく、沙奈子の『莉奈りな』と絵里奈の『志緒里しおり』は、実際に沙奈子のドレスを作る際には必要なドールだから、『SANA』の備品という扱いに今はなってる。兵長についても、いずれは男性型のドールの衣装も作ることになる可能性が高いから、同じく備品扱いなんだ。


これについて、玲那は、


「いやあ、兵長のファンには悪いけど、実はちょっと楽しみにしてるんだ。兵長にいろんな服を着せてさ、写真に撮っておこうかなと。でも、ネットには上げないでおこうと思う。そういうのに噛みついてくる人もいるかもだからさ」


とのことだった。


確かに、以前、玲那と交流のあったアニメ友達に、僕が兵長に似ているということで写真を見せたら、


「どこが!?」


と猛反発を受けて、それ以降、疎遠になってしまった人がいたらしい。そういうことがまたあるかもしれないということで。


どんなものをどういう形で楽しむかも人それぞれだと思うんだけど、どうしてなのかな。他人の楽しみ方にケチを付けてて自分の楽しみにはケチを付けられたくないとか考えてたら、それはただの『我儘』だと思うんだけどな。もちろん。『楽しみ方』自体、法律とかに触れない範囲でっていう前提はあるとしても。


自分が買った人形にどんな衣装を着せても、それは個人の楽しみの範疇だと僕も思う。ただ、確かに、それを多くの他者から見えるようにした場合、あれこれ言ってくる人に見付かるリスクについては考えた方がいいかもしれない。


だけどこういうのも。


『イジメはイジメられる側にも原因がある』


って話に繋がるんだろうな。本当は、別に公序良俗に反するようなものでない限り責められるいわれはないと思うんだけどね。


沙奈子も、玲那も、他者の楽しみ方にまでは口出ししないようにしてくれてる。と言うか、口出しする必要がないんだ。他者の楽しみ方まで気にしなきゃいけないような精神状態にないから。何か不満があれば家族の間でそれを打ち明けて解消できるし、他者にケチを付ける形で憂さを晴らしたりストレスを転嫁したりしなきゃならないほどのストレスを抱えてない。学校や仕事で嫌なことがあっても、家族で集まれば癒されるから。


結局、それができない人が、他者の楽しみ方にまで口出しして憂さを晴らしたりストレスを転嫁しなきゃいけなくなるんだろうな。


僕は、沙奈子や玲那や玲緒奈れおなにそんな風になってほしくない。だからそうならないように努力する。


沙奈子たちの親としてね。



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