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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百三十 玲緒奈編 「大事な備品でもあるから」

七月一日。木曜日。曇り時々雨。




いよいよ七月。実は山下典膳やまもとてんぜんさんのギャラリーも、六月の半ばから一日の入場者数を一日三十組に限定、予約制にして、再開していた。なので今度の日曜日、沙奈子と絵里奈の二人で行くことになったそうだ。同時に事務所で山下やましたさんとも面会することになってる。


山下典膳やまもとてんぜんさんのギャラリーの責任者で、僕たちと同じ『山下やました姓』の彼女との出逢いも、僕たちにとってはかけがえのないものだ。『SANA』のドレスの売り上げが順調なのも、山下典膳やまもとてんぜんさんと山下さんが協力してくれるからというのがすごく大きい。『新型コロナウイルス感染症』の所為でギャラリーの運営も大変だそうだけど、そちらは、ネット上のギャラリーと通信販売に力を入れることでもちこたえられてるそうだ。


でも、その上で、


山下やまもとのドールの販売が好調なのも、沙奈子さんのドレスの魅力があればこそなのは事実なんです。助けられているのはこちらも同じです」


とも言ってくれてるそうだ。


そうだね。別に競合するライバル会社というわけじゃないんだから、お互いに足を引っ張り合うんじゃなく、力を合わせればいいだけなんだと思う。


あと、その時に、沙奈子の『莉奈りな』と、絵里奈の『志緒里しおり』と、玲那の『兵長』も連れて行って、メンテナンスを受けるらしい。


最近ではあまり触れてこなかったけど、実はしっかりと毎日のように『お世話』はしてて、大事にしてるんだ。彼女らも僕たちの家族みたいなものだからね。それに、莉奈りな志緒里しおりは、沙奈子のドレスを完成させる上で大事な役目も負ってる。実際にドレスを着てもらって、最後のバランスを見るという。


一方、兵長は、相変わらずの怖い顔で睨みを利かせて、僕たちの家によくないものが近付かないようにしてくれてて、とても頼りになる存在だね。


僕は、オカルトは信じないけど、そう考えるとなんだか安心もできるし、そういう意味でならあってもいいものだと思ってる。不安を煽り立てて心の平穏を乱すようなのなら、いらないけど。


そんな莉奈りなたちも、たまにはプロの手でしっかりとメンテナンスしてもらった方がいいということで。


もちろん、その分の代金はお支払いする。山下さんには、


「沙奈子さんや絵里奈さんのドールなら、サービスさせていただきますよ」


とも言ってもらえてたんだけど、星谷ひかりたにさんが、


「いえ、その辺りについてはしっかりとけじめをつけた方がいいですから」


ということで。もっとも、『SANA』を運営するに当って大事な備品でもあるから、『SANA』の経費でだけど。



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