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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1822/2601

千八百二十二 玲緒奈編 「手の届かない部分も」

六月二十三日。水曜日。晴れ。




今月に予定されていた進路説明会は中止になったけど、来月、個人懇談会がある。それが実質、進路相談になるだろうな。


事前の進路志望用紙には、沙奈子は、第一志望に星谷ひかりたにさんたちが通ってた高校を挙げて、それ以外も、割と手近な公立高校を羅列してた。全部、千早ちはやちゃんと大希ひろきくんと揃えて。


第三志望までとにかく書くように言われたから仕方なくそうしただけで、実質、第一志望一本なのは分かってる。


その進路志望用紙に僕の署名をして、提出してもらった。


と同時に、何やら学校からノートパソコンが貸し出されたとかで、それの受領書も書かされた。沙奈子は、あんまりこの種のデジタルガジェットには興味はないタイプなものの、千早ちゃんや大希くんと一緒に散々使ってきたから、使い方自体は大体分かってるみたいだ。


こういうガジェットを学校で使うことに対していろいろな意見があるらしいけど、僕は単に時代の流れとしては『そうなるだろうな』と思うだけで、別に反対する理由もない。


ネットを使って他人の悪口を書き込んだり、誰かを攻撃したりということについても、もうここまでずっと、千早ちゃんや大希くんの様子も見てきて、心配ないと感じてる。


だって、わざわざ赤の他人を攻撃して憂さ晴らししなくても、何か不満がある時には僕たちに言ってくれたらそれで対処するからね。


それを、


『何でも子供の言いなりになって甘やかしてる』


とか言う人もいるかも知れないけど、現に、イジメとかネット上で他人を攻撃したりとかって形で自分に掛かってるストレスを発散せずにいられない人がこんなに当たり前にいる状態で、それのどこが『子供を厳しく躾けてる』って言うんだろう?。しかもそれは、今に始まったことじゃない。イジメは昔からあった。親の前では『従順ないい子のフリ』さえしていれば『躾が上手くいってる』とでも思ってるのかな。親の目から見えないところでは何をやってても構わないってこと?。


僕はそんなのは『親の側の甘え』としか思わない。赤の他人をストレス解消用のサンドバッグに使うくらいなら、僕がそのストレスを受け止めるよ。だって『僕の子供』なんだから。僕には子供たちに対して責任があるけど、赤の他人にはストレスの捌け口にならなきゃいけない義理も義務もないよね?。


千早ちゃんについては星谷さんが。大希くんについては山仁やまひとさんが。結人ゆうとくんについては鷲崎わしざきさんが。


それぞれちゃんと、向き合ってくれてる。その上で、みんなでフォローしあってる。手の届かない部分も、補い合ってる。だから赤の他人にストレスの捌け口を求める必要がない。


すごく単純な話なんだ。



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