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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千八百十二 玲緒奈編 「こんな風に仕事してるのは」

六月十三日。日曜日。曇り。




今日は星谷ひかりたにさんの誕生日。だけど星谷さん本人は、忙しくてそれどころじゃないということで、千早ちはやちゃんの誕生日の時に一緒にしてくれればいいということだった。


「ピカえ、ホントにすごいんだよ。世界中の人と仕事してるんだ!」


千早ちゃんが自慢げに言う。彼女の言うとおり、星谷さんは今、たくさんの国の人とやり取りをしつついろんな仕事をしてるらしい。ただ、『いろんな仕事』と言いつつも、実際には関連したものだそうだけど。


その中心になってるのは、玲那の『声』の件をきっかけにした、『ハンデを持つ人たちのサポートをする技術』についてのものだって。その実現のための技術者を世界中から募集してるらしい。本当は、日本国内で開発したかったけど、賛同してくれる人がなかなか集まらなくて、それで海外にも広げて。


でも、だからって『SANA』の仕事も疎かにしてるわけじゃなくて、海外にも販売ルートを広げて、着々とファンを増やしていってくれてるそうだ。『新型コロナウイルス感染症』の影響の中、『SANA』の売り上げが落ちなかったのは、そのおかげもあるらしい。


「実は、協力をお願いした技術者の方の娘さんが、山下やまもと典膳てんぜん氏のドールの大ファンだったことが分かりまして、しかも、『SANA』のドレスにも大変興味を持ってくださいまして。私が『SANA』の関係者だと分かると、この度の『新型コロナウイルス感染症』の件が終息した暁には、是非、招待したいとおっしゃってくださっているんです」


とも。さらに、


「その方が、今度、山下典膳氏のファンサイトを立ち上げるとも。そしてそこで『SANA』のドレスについても取り上げてくださるそうです」


だって。


思わぬところで思わぬ繋がりが生まれて、それで世界が広がっていくんだなって改めて思った。


「いずれは、海外に『SANA』の販売代理店を立ち上げることになると思います。その際には、絵里奈さんにも協力していただきます」


「分かりました。ありがとうございます」


玲緒奈れおなを抱いたままビデオ通話で星谷さんと話し合って、様々なことを決めていく絵里奈の姿に、僕はとても凛々しいものを感じてた。


本当は育児休業中なんだからこんな風に仕事してるのはおかしいのかもしれないけど、僕たちはまだまだ試行錯誤の真っ最中だから、こういう、『本来のルールでは好ましくない部分』も出てくるんだろうと思う。そんな『不具合』を洗い出して、今後に活かしていかなくちゃね。ルールを守れないことを正当化してなあなあで済ましてちゃ、沙奈子や玲緒奈に顔向けできないよ。



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