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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百八十五 玲緒奈編 「そこに胡坐をかいて」

五月十七日。月曜日。雨。




世の中には、本来は『弱者』だったはずの人が、自分が守られてるのをいいことに横柄に横暴に振舞うことがあるみたいだね。


学校で生徒が教師を罵ったり暴力を振るったりとか、『交通弱者』である歩行者が好き勝手なことをしたりとか。


だけどそれさえ、


『自分より劣ってる相手は見下していい』


とか、


『強者は弱者を虐げていい』


って考え方が引き起こしてることだとしか思わない。


いわゆる『弱者』も、権利や法律を盾にすることで、『強者の立場』を得て、『自分より劣ってる相手は見下していい』とか『強者は弱者を虐げていい』という考えを実行してるんじゃないの?。


結局、『自分より劣ってる相手は見下していい』とか『強者は弱者を虐げていい』という考えがそれを招いてるんじゃないの?。


沙奈子や玲那は、とても辛い過去を背負って生きてる。世間的には『同情を集める立場』かもしれない。でも、そうやって同情を集めることが『力』になって、その『力』を盾に横柄に横暴に振る舞うようなことがあってほしくないんだ。


だから僕は、『自分より劣ってる相手は見下していい』とか『強者は弱者を虐げていい』という考えを肯定しない。沙奈子や玲緒奈れおなの前で、そういう考えに基づいた振る舞いをしない。『自分より劣ってる相手は見下していい』ことを、『強者は弱者を虐げていい』ってことを、『当たり前』って思ってほしくないから。


それを当たり前だと思わなければ、『権利や法律で守られてるから』なんて考えて横柄に振る舞ったり横暴に振る舞ったりってこともしないと思うんだけどな。


そして沙奈子は、『辛い過去を背負って同情を集めることができる自分』を利用しようとはしていない。今のところは、だけど。でもこれから先も、そんなことをしなくても済むように、家族で力を合わせて生きていこうと思うんだ。そんな風に考えられる者同士だから、こうやって一緒にいられる。


僕たちは、自分たちが幸せになるためにこそ、『当たり前』と信じられてきたものを疑う。『それは本当に適切なの?』って考えることをやめない。


『子供は、親を信頼し尊敬するのが当たり前だ』って思われてきたことを疑うからこそ、『沙奈子や玲緒奈に信頼してもらえる親であろうと心掛けて努力する』んだ。


ただ単に親だというだけで無条件に子供から信頼されて尊敬されるわけじゃないって考えるからこそね。


『子供は、親を信頼し尊敬するのが当たり前だ』っていう考えに甘えてそこに胡坐をかいて横柄に振る舞う人を、信頼も尊敬もできるわけないよ。



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― 新着の感想 ―
[一言] 「民主主義ってのは強いものが我慢することだ」 って聞いたことがあります。 残念ながら残酷な事実だと思います。 だからこそ弱いものはなにをしてもいいということではないんです
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