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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百七十六 玲緒奈編 「何も失敗しない人はいない」

五月八日。土曜日。晴れ。




山仁やまひとさんのところもそうだけど、うちも、『必要な勉強を済ませた後なら、ゲームの時間は制限しない』って形にしてる。


と言っても、沙奈子はゲームにはそれほど興味ないから、『人形のドレス作りの時間は制限しない』って言った方がいいかな。


『必要なことを終わらせた』後の時間なんて、それこそ、当人の自由だと思う。大人だって、仕事以外の時間を、趣味や遊びに費やしてる人は少なくないよね?。『ゲームは一日一時間』とか言ってやってる人は滅多にいないよね?。


だったら、子供のうちから、


『必要な勉強を済ませた後なら、それ以外の時間をどう使うかは、自分で考える』


ってことを習慣づけた方がいい気がする。山仁さんもそう考えてるそうだし、星谷ひかりたにさんのご両親も、そういう考えの人だそうだ。


「自分の時間を自分でマネジメントできない人は、仕事も効率的にこなせないよ」


と、星谷さんに対して言ってるって。


「仕事を頑張った後は、思いっ切り趣味や遊びに費やせばいい」


とも。それもあって、星谷さんのご両親は、社員や従業員のプライベートには干渉しない主義なんだって。その一方で、本人が望むならプライベートでの交流も惜しまない。仕事の外でいろんな人との交流を持つのは、それ自体がご両親にとっての『趣味』だってことらしい。


だから星谷さんも、千早ちゃんに対して、


「勉強が終わった後は好きにしてていいですよ」


って言ってくれてるそうだ。


その一方で、星谷さんのご両親は、自由な時間に自分の子供とはどう接していいのか分からなくて、シッターさんに任せっきりになってしまった。大人同士だとお互いに自分で自分のことを決められるとしても、乳幼児だった頃の我が子については、どうしても自分たちに従わせることになりそうで、それが不安だったみたいなんだ。そういう部分は、子供と接するプロであるシッターさんに任せた方がいいかもと思ったみたいで。


『自分たちの子供に対して誠実だったからこその失敗』だったんだろうな。


そうだ。『いい人』だって失敗はあるんだ。いい人かそうじゃないかは関係なく、何も失敗しない人はいない。大事なのは、自分の失敗とちゃんと向き合うことなんだと思う。自分の失敗を見て見ぬフリをしたり、誤魔化そうとしたり、なかったことにしようとしたり、認めないために嘘まで吐いたり、っていうのが問題なんじゃないのかな。


自分のしたこととちゃんと向き合う。自分の失敗とちゃんと向き合う。そういう大人の姿を子供に見せるのが大事だと思うんだ。



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