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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百六十八 玲緒奈編 「なんかいい感じじゃ」

四月三十日。金曜日。曇り。




今日は、ゴールデンウイークの谷間の平日。と言っても、沙奈子の学校は休校中だし、僕の会社も休みだし、『SANA』も休業中だ。だから実質、ゴールデンウイークの真っ最中ってことになる。


それでも、いつもと変わらない。いや、『SANA』が休みだから玲那が一緒か。


沙奈子は、三階で千早ちはやちゃん、大希ひろきくん、結人ゆうとくんと一緒に過ごしてる。


四人ももう、完全に『家族』として振る舞ってる。勉強を済ませたら、沙奈子は人形のドレス作り。千早ちゃんと大希くんと結人くんは、パソコンやスマホで『マインクラフト』っていうゲームをするというのが、最近の定番の過ごし方らしい。時々、千早ちゃんと大希くんの声が響いてくる。それがまた楽しそうで。


『マインクラフト』は、決まったストーリーに沿ってゲームを進めていくタイプのそれじゃないそうで、ゲームの世界の中でものすごく好き勝手にできるから、『ゲームの中で自分たちで遊び方を考える』んだって。今はそういうのがあるのか。


他にも、『どうぶつの森』とかいうのも、同じような遊び方ができるらしいから、それもやってるって。


千早ちゃんは山仁やまひとさんにゲーム機とソフトをプレゼントしてもらって、結人くんも、


「どうぶつの森をするだけなら、いいよ」


ということで鷲崎わしざきさんに買ってもらったって。


以前の結人くんは、ゾンビやモンスターをひたすら銃で撃ちまくったり剣で切りかかったりっていう、残虐なゲームばかりをしてて、それを心配した鷲崎さんが新しいのを買わなかったから飽きてしまってたそうだけど、千早ちゃんや大希くんがそれ以外のみんなでできるゲームを教えてくれて。


それでも、最初は、『スマッシュブラザーズ』というみんなで戦うゲームだったらしい。なのに今では、戦うよりもマインクラフトとかで家を作ったりするのにハマってるんだって。しかも、すごく凝った家を作ってみせるらしい。


「結人、すっげーじゃん!」


千早ちゃんはそんな結人くんに素直に感心してくれて、彼もまんざらでもなかったみたいだ。


正直、それまで、とにかく破壊的なことにばかり関心を持ってた結人くんが、たとえゲームの中ででも何かを『作ろう』と思ってくれるのがすごいと思う。


それだけじゃなくて、彼は、沙奈子がドレスを作ってる人形に使える椅子とかテーブルとかタンスとか、『人形用の小物』作りもしてるって。アパートではそっちを作って過ごしてるんだって。


だから、うちにもそれのキットや工具を持ち込んでやってくれたらいいと思ってる。


今はまだ遠慮してるそうだけど、いずれは、ね。沙奈子がドレスを作って、結人くんが家具を作って、なんかいい感じじゃないかな。



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