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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百五十八 玲緒奈編 「どっちがカッコいい」

四月二十日。火曜日。晴れ。




僕は、煙草もお酒も自分に必要だとは思ってない。ましてや薬物に頼ろうなんて少しも思ってない。


その必要がないからね。


薬効成分が含まれてて、それを医薬品としてしっかりとした管理の下で利用するなら別に構わないと思うけど、


『吸えばHAPPYになれる』


なんて、要するにただの『現実逃避』だよね?。薬物に頼らずにいられないほどの現状を解決しようとするんじゃなくて、その現実から逃避することで、


『幸せになれたような気がする』


のが、本当に問題解決につながるの?。本来の問題を解決しないままそれを見ないようにするのは、自慢できることなの?。


もちろん、僕にだって自力じゃ解決できない問題はあるよ。今の世の中の状況なんてまさしくそれだから。


だけど、こんな状況になっても、僕は薬物に頼る必要性を感じない。


『苦しい状況を打破するために世の中の仕組みを変える』という意気込みは分かるけど、それがどうして、


『薬物に頼る』


という形に向かうのかが分からない。先にも言ったとおり、薬効成分を利用したいならちゃんと薬として使えるようにすればいいだけだよね?。医療における『緩和ケア』とかには、麻薬指定の痛み止めとかも使われるわけだから、実例がちゃんとあるよね?。いろいろな病気の治療薬の中にも、ちゃんと医師の監督の下でないと使えないようなものもあるよね?。どうしてそういう使い方じゃ駄目なの?。そもそも、その薬効も、他のもので代用できないほどのものなの?。


ましてや、自分から、『周りに合わせないと仲間外れにされる』ようなところに入っていって、『仲間外れにされたくないから、仲間外れにされる恐怖から解放されるために周りに合わせる』なんて、ただのマッチポンプじゃないの?。


自分は、自分が置かれている『薬物に頼らずにいられないような状況』を改善する努力をせず、一時的に現実逃避をするためのものを新たに世の中に認めさせようなんて、それが大人のすることなのかな。


僕が薬物どころか煙草やお酒に頼らずに済んでいるのは、『それに頼らなくて済む家庭』を作ってるからだと感じてる。そういう家庭を作り上げる努力をしてる自負はある。


改めるべきは『薬物に頼らずにいられないような状況』の方だと僕は思うんだけどな。薬物で一時的に現実逃避したって状況は何も変わらないんじゃないのかな。


『一時的な現実逃避をするために法律や世の中を変えようとする』


のと、


『勇気をもって自分自身が置かれている『薬物に頼らずにいられないような状況』を変える』


のとじゃ、どっちが『カッコいい』んだろうね。



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