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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百五十一 玲緒奈編 「心配事とか相談してくれたら」

四月十三日。火曜日。雨のち曇り。




学校の再開が延期になったことも、修学旅行が延期になったことも、沙奈子はそれほど気にしてなかった。


それはたぶん、千早ちはやちゃんや大希ひろきくんや結人ゆうとくんがうちに集まるからだろうな。


千早ちゃんも大希くんも結人くんも他に出掛けることはないから特に心配していない。『新型コロナウイルス感染症』についても、なんだか『子供には感染しにくく発症しにくいから実は一斉休校にする必要はなかったんじゃないか?』みたいな話が出てるらしいけど、僕は専門家じゃないからそれが正しいのかどうかなんてまったく分からない。


でも同時に、発症はしなくてもウイルスの運び役になってしまう可能性があるのなら。外出は控えるのが吉なんじゃないかなとは思うから、おとなしくしてようとは思う。


沙奈子や千早ちゃんや大希くんや結人くんに聞いても、


「私は平気……」


「私も、こうやって沙奈やヒロと一緒なら平気かな」


「僕も、あんまり人の多いところはそんなに好きじゃないからね」


「どうでもいい……」


ってことだし。


だから、こうやって小さく集まるくらいについては、消毒とかうがいとか手洗いとかをちゃんとするという前提ではあるけど、大目に見てほしいかな。


一方で、波多野さんのバイト先である和菓子屋には、かなりの影響が出てきてるそうだ。何しろ、観光客がすごく減ったからね。


「売り上げが三割くらい減ったって言ってた。うちはネットでの通販にも力を入れてたからまだそんなもので済んでるけど、店頭販売だけのところだと、六割以上減ってるところもあるって。マジでヤバい状態だよ。バイトとか切り始めてるところもあるらしいし。うちは今のところ、社長が頑張ってくれてるって。だけどあんまりこの状況が長引くと、どうなるか分からない感じ……」


とも言ってたし、そういうのを聞くと、大変なことになってるんだっていうのは感じるな。


その上で、


「アパートの連中にも、モロ影響が出てるのもいるみたいだ。バイト先が潰れたのもいるって。幸い、すぐに次のバイト見付かったらしいけど、飲食店関係は特に厳しいらしいね」


とも。


そうだ。沙奈子たちはまだ中学生だし、千早ちゃんのお母さんは看護師でお姉さんたちは工場務めで、大希くんのお父さんの山仁やまひとさんは文筆業で、結人くんのお母さん代わりの鷲崎わしざきさんは在宅勤務が基本だったからそんなに影響が出てないだけで、影響が出てるところは出てるんだ。


だからこそ、沙奈子たちと話をする。


「沙奈子も、何か気になることがあったら言ってね。千早ちゃんたちも、心配事とか相談してくれたらいいから」



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