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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百五十 玲緒奈編 「あんまり気にしてない……」

四月十二日。月曜日。曇り。




沙奈子が通う学校は、今日から再開の予定だったけど、延期になった。


個人カード、健康調査票、四肢調査票、結核問診票等々、始業式の日に沙奈子がもらってきた各種書類の提出も、学校が再開されてからってことに。


加えて、PTAの委員の選出も延期になったけど、うちは去年、『地域委員』を担当したことで、今年は免除されることになる。これで受験に向けて集中できるわけだけど、こんな状況だと、大変だろうな。


勉強そのものは、沙奈子や千早ちはやちゃんや大希ひろきくんの場合は何も心配していないけど、結人ゆうとくんは三人ほど進んでいないから、影響はあるかもしれない。


だけど、うちに集まって勉強するようになったことで、学校からもらってきた休校中に家庭で勉強するための大量のプリントとかは、順調にこなせているそうだ。同時に、結人くんのための自主勉強も、始めてるって。


『結婚したいと思える相手はいない』と言ってた沙奈子だけど、結人くんのことはちゃんと『友達』だと思ってくれてるみたいだ。なにしろ、千早ちゃんや大希くんよりも熱心に彼に勉強を教えてくれてるそうだし。


まあまだ中学生だしね。結婚なんて別に気にする必要もないと思う。結人くんは、不器用で感情の表し方が下手なだけで、本質的にはいい子だけど、だからって沙奈子が異性として惹かれるかどうかは別の話だしさ。




あと、五月に予定されていた修学旅行が、二学期以降に延期になった。行先は九州。主に長崎に行くらしい。これについては、


「残念だね」


と話し掛ける僕に、沙奈子は、


「別に…、あんまり気にしてない……」


だって。それもそうか。自分が『行きたい』と思ったところ以外に出掛けるのは元々好きじゃないからね。『ハウステンボス』に行くのが一番の目玉らしいけど、それも興味ないそうだし。


確かに、沙奈子は、USJとかディズニーランドとかも行きたがらない。千早ちゃんは、


「行けるんなら行ってみたいとは思うけどさ。ま、別にそんなに必死になるほどじゃないかな」


とは言ってるものの、大希くんも、


「僕も同じかな」


って言ってるし、結人くんに至っては、


「興味ない……。めんどくさい……」


だって。


それに対してイチコさんは、


「え~?。私も何が何でも行きたいとまでは思わないけど、行ってみたら楽しいよ」


と、高校の修学旅行でディズニーランドに行ったのを思い出し、波多野さんと田上たのうえさんも、


「そうそう、楽しい楽しい」


「なんだかんだで思い出になるよね」


ビデオ通話の画面の中で笑顔だった。


もっとも、そう言ってるイチコさんたちも、


「だけど今年は花見とかできないねえ」


残念そうにはしつつ、そんなにストレスが溜まってる様子はなくて安心したな。



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― 新着の感想 ―
[一言] 花見はともかくお花畑みたいなところは 空いているようですよ コメトン不要です
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