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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百四十九 玲緒奈編 「他人に直接言ったら」

四月十一日、日曜日。晴れ。




仕事は在宅勤務。沙奈子の学校は休み。正直、曜日の感覚が失われつつある気がする。


だから日付とか曜日を頻繁に確認するようになった。


その一方で、沙奈子ともたくさん話をする。


「沙奈子は、結婚とかしたいと思う?」


「……あまり、思わないかな……。お父さんとお母さんを見てたら『いいな』って思うけど、結婚したいって思える人とかいないから……」


「そうか。そうだね。『結婚したい』って思える相手がいなかったら、無理に結婚する必要はないよ。僕だって絵里奈と出逢ってなかったら結婚してなかったと思うし。それに、家にいたかったらずっといてくれていい。だって、結婚しないなら家を出る理由もないしさ」


「うん、そうする……」


沙奈子が頷いてくれたところで、玲那が、


「だよね~、『子供部屋おじさん』とか『子供部屋おばさん』とか、実家住まいの人をバカにする風潮があるけど、確かに生活のすべてを親に依存してるのはさすがにどうかと思うけど、ちゃんと働いて一緒に生活を作り上げてるんだったら、別に他人が口出しすることじゃないじゃん。私は逆に、結婚するわけでもないのに実家を出ていってそれで『孤独感に苛まれてる』とか言ってる方が意味が分からない。親とまともな人間関係も築けてないから実家にいたくないだけなんでしょ?。それで『自立してる』とか、ちゃんちゃらおかしいって。


こういうこともさ、『なんでも言いたいことがそのまま言える』ってのにも絡んでくると思うんだけど、『それで自立してるとかちゃんちゃらおかしい』みたいに言ったら、『余計な口出しすんな!』みたいにキレるじゃん。思ったこと感じたことをそのまま口にしたら嫌がるじゃん。『そんなことを思うのがおかしい!』って言うんだったら、実家にそのまま住んでる人のことを悪く思うのも余計なお世話だしおかしいじゃん。とにかく自分ばっかり甘やかされたいんだってのが見え見えだって」


思ってることを口にする。


こういうのも、他人に直接言ったら角が立つとしても、家の中で僕たちの前で言葉にするだけなら何も問題ないと思う。だから沙奈子にも、


「もし、言いたいことがあったら、打ち明けてくれたらいいから」


と言っておく。


「うん……」


沙奈子はそう頷いてくれるけど、でもやっぱり、言いにくいことはあるかもしれない。その時に、千早ちはやちゃんや星谷ひかりたにさんやイチコさんや波多野さんや田上たのうえさんに相談してもらえたらいい。それができる環境は、作れてると思うんだ。



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