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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百三十五 玲緒奈編 「誰もそんなに困らない」

三月二十八日。日曜日。雨。




『一時間くらい吠えっぱなしの犬』の件については、ひょっとしたら僕が一人で住んでたら気になって仕方なかったかもしれない。でも今は、犬がずっと吠えてても、僕たちは家族でおしゃべりしたてたりするからそっちに集中しててそれで気が付いたら収まってるって感じなんだ。楽しいことに集中してるから、それ以外の音については意識が向かない感じかな。


あと、風向きとか湿度の関係か、少し離れたところにある『幼稚園』の子供達の声とかも、時々、はっきりと届いてくることがあるんだ。たぶんこういうのも、気にする人は気にするんだろうな。


自分が子供の頃には、そうやって誰かに迷惑を掛けてたんじゃないの?。もし、『迷惑を掛けてなかった!』と言い張るんだとしても、玲那が言ってたように、今、ネットとかで他人を不快にさせるようなことをして迷惑を掛けてるんなら、意味ないよね?。


そうしてネットとかで誰かを傷付けたり不快にさせたりして迷惑掛けてるのは、『どこかの誰かが生んだ子供だった人』だよね?。どうしてその事実から目を逸らすの?。


自分は他人に迷惑を掛けておいて『自分は迷惑を掛けられたくない!』というのは、ただの身勝手だよね?。


だけど僕は、沙奈子や玲那や玲緒奈れおながそうやって、わざと他人に迷惑を掛けるようなことはさせたくないんだ。わざとじゃなく結果として迷惑を掛ける形になったっていうのまでは避けることはできなくても、少なくとも『わざと』というのは避けたい。


ネットとかで誰かを傷付けたり不快にさせたり、お酒を飲んで周りに迷惑を掛けたり、ところかまわず煙草を吸って迷惑を掛けるみたいなのは、基本的には自分のストレスを解消したり他人にストレスを転嫁することが目的の場合が多いと思う。


沙奈子も玲那も、そういう意味では、自分のストレスを他人に転嫁することはしなくて済んでる。それは結局、家でストレスを解消できてるからだと思う。


今は、『新型コロナウイルス感染症』の件でストレスを抱えてる人が増えてるって話も聞く。『家から出る機会が減って』ってことで。正直、僕たちはそれについてはあまりピンとこない。家族揃って家にいられることはむしろ嬉しいから。家にいればそれ自体が安らぎだから、逆にストレスが溜まらないんだ。


外出自体、買い物や散歩に出る程度で満足できるし。


沙奈子も、千早ちはやちゃんや大希ひろきくんと顔を合わせられればそれで満足できてるみたいだし。


本当なら、水族館に行きたい気持ちはあるそうだけど、そちらについても、彼女の様子を見ている限りではまだ大丈夫そうだ。


そして、いつものように料理を作りに来てた千早ちゃんは、


「ストレス解消にケーキをぶっ作るぜい!!」


ってことで、お昼を作った後でケーキを作り始めた。材料は星谷ひかりたにさんが届けてくれたのを持参して。


そういう形のストレス解消なら、誰もそんなに困らないかもね。


中には困る人もいるかもだけど。



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