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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百三十三 玲緒奈編 「父親が子供を育てることに」

三月二十六日。金曜日。晴れ。




いよいよ玲緒奈れおなも生後六ヶ月。今日は六ヶ月検診に行く。ただ、


『なるべく少人数でお越しください』


という保健所からの『お願い』に、僕が玲緒奈を連れて行くことになった。なんだかんだで、僕が一番、玲緒奈をあやすのが上手いから。


絵里奈自身は、体の具合も精神状態もなにも問題がないから、それだけ伝えられればいいし。


父親がこうやって検診に連れて行くことについてあれこれ言う人もいるかもしれないけど、僕はそういうのには耳を貸さない。気にしない。


今の世の中は、まだ、


『母親が育児をするのが当たり前』


っていう意識が強いのかもしれない。それを事実として認めつつも、だからって僕が玲緒奈を育てることを諦める理由にはならないし、父親が子供を育てることについて十分な理解が得られてないんだとしても、そんなのは僕には関係ない話だ。他人が何を言おうとどういう目で見ようと、必要とあれば以前の会社で発揮していたように、心を閉ざして『何も聞こえない感じない』状態にして凌ぐということだってする覚悟はある。


元々、『この世は自分の思い通りになるわけじゃない』という現実があるんだから、それを思えば些細なことだよ。


『お前の子供はお前が勝手に生んだものだから他人に迷惑を掛けるな!』


みたいなことを言う人たちは、自分自身が、『自分の親が勝手に生んだ子供』だった事実と向き合おうとしてない人たちだから、気にする必要もない。


だって、『余所の親が勝手に生んだ子供のことで気を遣う必要がない』って言うんなら、


『余所の親が勝手に生んだ子供であるあなたのことだって他人が気遣う必要ないですよね?』


って話になるからね。


親もいないのに生まれてこられる人間なんて、少なくとも今の時点ではいないんだ。『お前の子供はお前が勝手に生んだものだから他人に迷惑を掛けるな!』なんて言葉は、そのまま自分に返ってくるんだよ。自分で自分の首を絞めてて、『生き難い世の中』に自分がしてるんだ。


迷惑を掛けるつもりがなくたって結果的に迷惑を掛けることになってしまうという話は当たり前にある。むしろ、何一つ他人に迷惑を掛けずに生きられる人はいない。だって、ネットで他人を嫌な気持ちにさせる発言をする人がどれだけいるの?。他人を嫌な気分にしてる時点でそれは『迷惑を掛けている』ってことなんだよ?。


自分はそうやって他人を嫌な気分にさせて迷惑を掛けておいて、『迷惑を掛けるな!』なんて、ただの我儘だよね。



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