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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百十二 玲緒奈編 「そんなことがあったとしても」

三月五日。金曜日。雨。




今日から臨時休校。学校からは休校中の課題が出されてるそうで、千早ちはやちゃんと大希ひろきくんが来て、三階で三人でそれをこなしてた。


本当はこうやって集まるのもよくないのかもしれないけど、千早ちゃんや大希くんは家族みたいなものだからね。


水族館へも行けなくなって、カラオケにもゲームセンターにも行ってないんだから、自宅とうちを行き来するだけだし、普通に考えたらどこかで感染してくるはずがないんだ。


可能性があるとすれば、星谷ひかりたにさんがどこかで感染して、持ち帰ってきてしまうくらいかな。ビデオ通話で済むことはそれで済ましてるらしいけど、やっぱり直接現場に行って、ということも必要らしいから。『SANA』のことだけじゃなく、他にもいろいろ手がけてるそうだし、玲那の声のことも……。


だけど、もし、そんなことがあったとしても、


「星谷さんがってことになったら、それはもう、仕方ないよね」


「そうですね。星谷さんだったら受け入れるしかないと思います」


「そりゃこんだけ助けてもらってるんだしね」


ということで、僕たちの意見は一致してた。その上で、マスク、手洗い、うがい、消毒については徹底しなきゃと思う。僕たちは覚悟もできるけど、玲緒奈れおなはそうじゃないからね。


あと、少しでも体調が悪いと思ったら無理をしないこと、かな。


イチコさんと田上たのうえさんには、発送作業はうちに来てもらうしかないけど、注文の受け付け作業については、端末を持ち帰ってもらって、自宅でもできるようにってことになった。


でもまあ、自宅から近くて二人とも自転車通勤だからね。通勤時に感染ってことはちょっと考えづらいと思うし、そういう意味でも、身近な人たちで会社を運営できてるのはリスク管理がしやすくて助かってるかな。


お願い事とかも言い易いし。


いずれは人も増やしていくことになるはずだったけど、そうやって規模を大きくしていく前だったのは、ある意味では不幸中の幸いだったかもしれない。


自粛自粛で、飲食店とか土産屋とか、お客に実際に来てもらわないといけない商売は特に大変になりそうだ。その点でも、『SANA』は基本的な業態がネット通販だったことでまだ救われてる気もする。


ただ、


山下典膳やまもとてんぜんさんのギャラリーも、当面の間、休館するそうです。その分、ホームページのギャラリーには力を入れて、通販は続けるそうですけど……」


と絵里奈が言うとおり、まったく影響がないわけじゃない。沙奈子のドレスの新作を、山下典膳やまもとてんぜんさんギャラリーで展示してもらうことができなくなるのは、痛いかもしれないな。



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