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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千七百五 玲緒奈編 「筋を通したことには」

二月二十六日。金曜日。雨のち曇り。




イチコさんを見ているとすごく思う。


『社会人として体裁をいくら整えても、相手を敬い慈しむ気持ちがない人は、信用も尊敬もできない』


って。


しかも、自分を信用したり尊敬したりすることを他人に強要する人ほど、他人を敬い慈しむということができてない気がするんだ。と言うか、それができてないから他人に強要するんだろうなって。


もちろん世の中の人がすべて、他人を敬い慈しむことができるようになるとは、僕だってさすがに考えてない。だけどそれは、自分がそうであることを心掛ける、自分の子供がそれができる人になるように親として心掛けるというのをしなくていい、する必要はないと考えていい理由にはならないと思う。


『他人がやらないから自分もやらない』


っていうのは、完全に『他人の所為にしてる』よね。


親がそうやって他人の所為にして人として心掛けるべきことを蔑ろにするのなら、子供に対しても、『人としての在り方』なんて説けないと思う。


僕はそう思うから、まず、親である僕自身の在り方について考えなきゃと思うんだ。


それは決して完璧な人間であろうとするという意味じゃない。むしろ逆に、完璧じゃないからこそ、完璧じゃない自分のままで、いかに人間としてよりよくあろうとするかということなんだと思う。


他人を平気で傷付けられるような人でいたら、自分も幸せになれない。幸せになることを許してもらえない。


そういうのは間違いなくあるはずだから。


『幸せになるのに他人の許しなんか必要ない!』


って言うかもしれないけど、もしそれが本当だったら、結婚する時に、相手の親に許しをもらいに行く必要なんかないんじゃないのかな。幸せになれると思ったら、周りの言うことなんか何も聞かずに自分達だけで結婚してしまえばいいんじゃないのかな。


でも実際にはそうじゃないから、許しをもらわないと幸せになれないと思うから、許しをもらいに行くんじゃないのかな。


大人として筋を通すために挨拶に行くんだって言うんだとしても、『大人として筋を通さないと許してもらえない』と思うから、行くんじゃないのかな。


これについては、ほとんど絵里奈の親代わりだった叔父さんには結婚の報告には行ったけど絵里奈の実の両親には挨拶してない僕があれこれ言えるようなことじゃないと思ってる。


その一方で、絵里奈の両親には挨拶には行かなかったものの、少なくとも何か攻撃するようなことをしようとは思っていなかった。


たとえちゃんと挨拶に行ったとしても、その陰で相手をこき下ろすようなことをしていたら、それは『筋を通した』ことにはならないんじゃないかな。




ところで、世の中の方では、『新型コロナウイルス感染症』の拡大に伴って、政府が、『全国の小中高校一斉休校』の方針を打ち出した。


本当にどうなるんだろう……。



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