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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百六十六 玲緒奈編 「正しく理解して欲しいと」

一月十八日。月曜日。晴れ。




『性』に関することについても、人間である以上は、逃れられないものだと思う。


特に、玲那はもちろん、ここまであまり触れてこなかったけど、沙奈子も実は知らないわけじゃないんだ。正直、あまりいい印象はなかったらしいけどね。


だけど同時に、一人でお風呂に入るのが怖いからと僕と一緒に入るのを望んだように、『性』を嫌悪しながらも、『孤独は怖い』っていうのも確かにあるみたいで。


だからこそ、丁寧に向き合わないといけない気がしてる。気恥ずかしいからと見て見ぬフリをしていると、性に対して歪んだ認識を持ったまま、正確な知識を持たないまま、『孤独を紛らわすために』みたいな形でって予感があるんだ。


性的に見られるのは嫌悪しつつ、でも、孤独は怖いから誰かを繋ぎ止めるために自分を差し出すみたいなことをしてほしくないと思う。


僕は彼女の『親』として、沙奈子自身がきちんと『性』と向き合えるようにしてあげないといけないとすごく思わされてる。


そうだ。『性』を、嫌なもの、不快なもの、汚らわしいもの、おぞましいものだと考えていると、自身が持つ『性』そのものとちゃんと向き合えないかもしれない。


もっとも、そんなことを言ってる僕自身が、『性』を、嫌なもの、不快なもの、汚らわしいもの、おぞましいものと考えてたけどね。絵里奈と知り合うまでは。だからずっと、見ないフリをしてた。気付かないフリをしてた。


でも、絵里奈となら、大丈夫だった。と言うか、正直、今でも、絵里奈以外は『怖い』。


ただ、絵里奈との間に感じているものが役に立つなら、それを沙奈子や玲緒奈にも分かっていってもらいたいと思う。絵里奈とのそれは、僕にとって、嫌なもの、不快なもの、汚らわしいもの、おぞましいものじゃなかった。あたたかくて、心地好くて、嬉しいものだったんだ。


学校での『性教育』は、あくまで医学的生物学的な形のそれだという印象がある。だけどそれじゃ、『なぜセックスをするのか?』『人間にとってセックスとは何か?』というのが伝わらない気がするかな。


僕は絵里奈を愛してる。彼女と触れたい。彼女のぬくもりを感じたい。彼女と一つになりたい。そしてそれは、彼女とだから得られるもの。


結婚はもう必須じゃない。子供を生むことも必須じゃない。セックスだって別にしたくなかったらしなくていい。だけど同時に、愛する人と触れ合うことに何か誤解があったら、それはすごく残念だ。


愛する人と肌を合わせることについて、沙奈子や玲緒奈には正しく理解して欲しいと、親として思うんだ。



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