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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百五十一 玲緒奈編 「災害への備え」

一月三日。日曜日。晴れ。




「また新たな<新型肺炎>が猛威を振るっている模様です」


ニュースでアナウンサーがそんなことを言っていた。


「これって、星谷ひかりたにさんが言ってたあれ……?」


絵里奈がそう呟くと、スマホにメッセージが届いた通知が。星谷さんだった。そのまま、ビデオ通話で話をする。


「ニュースはご覧になられましたか?」


挨拶もそこそこにまずそう言ってきたから、


「はい。もしかして、ニュースで言ってたのが、星谷さんの言ってた『伝染性の疾病』ですか?」


と、正直な印象を口にする。すると彼女も、変にもったいぶったりせず、


「そうですね。私が得た情報と一致します」


って。


ニュースでは、感染が拡大している地域での封じ込めに努力しているみたいなことを言っていたし、星谷さんも、


「かつての『SARS』や『新型鳥インフルエンザ』の際と同等程度の対策は行われているようですので、このまま封じ込めに成功する可能性は低くないでしょう。ですが、物事には『絶対』というものがないこともまた事実。抑え込みに失敗し、感染が拡大する可能性も考慮に入れる必要はあると感じます」


とのことだった。


とは言え、僕もこの時点ではまだまだ『他人事』『対岸の火事』程度に感じていたのも正直なところ。


でも同時に、星谷さんが、


「この新型肺炎は、一般的な風邪の原因となるコロナウイルスの変異種が原因とみられています。なので、普通の風邪対策が有効だとされているようですね。うがい、手洗い、マスクの使用、殺菌・消毒等でしょうか。それに伴い、うがい薬、石鹸、消毒用アルコール、使い捨てマスク等のストックを確保しておくことが望ましいでしょう」


そう言うので、玲那が、ストックを確認してくれる。


「災害用のストックだけど、バスサイズの石鹸三個、消毒用アルコール二本、使い捨てマスク六十枚入りが四箱、市販の風邪薬一箱、鎮痛剤一箱、熱冷まし一箱、トイレットペーパー十二ロールが二つ、生理ナプキン四袋、ちゃんとあるよ。うがい薬はないけど」


玲那の言うとおり、それは、地震とかの災害にそなえたものだった。すると星谷さんは、そこに、


「では、念のため、そのストックを倍にしておきましょう。慌てる必要はないと思いますので、普段の買い物のついでに少しずつ買い足していけばいいでしょうね」


って。


他人に命令される感じで言われるとつい反発していしまうかもしれないけど、星谷さんに冷静に言われると、


「分かりました」


と応えられてしまう。


『そんな大袈裟な』と言われるとしても、あくまで『災害への備え』としてなら、これでも心許ないかもしれないな。



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