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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百四十六 玲緒奈編 「できればそうした方が」

十二月二十九日。火曜日。曇り。




『SANA』も正月休みに入り、いよいよ年の瀬が押し迫ってきたと感じる。でも、それと同時に、僕たちはあえて普段どおりに振る舞うことを心掛けた。年末年始だからって『何か特別なことをしなくちゃ』っていう思い込みで心の平穏を失うことが嫌なんだ。


もちろん、年末年始を特別なものと考えてそれに備えたいと考える人はそうしてくれたらいい。そこで無理に『普段どおりにする』ことで逆に落ち着かないと言う人もいるだろうからね。僕たちの在り方が正しいとは言わない。これはあくまで、『僕たちはこの方が落ち着く』からだし。


大掃除とかについても、まとめてするんじゃないんだ。毎日の掃除は心掛けつつ『今日はここを重点的に』って形でローテーションを組んでしてたんだ。


これは、僕が一人暮らししてた頃からの習慣でもある。


『毎日をただ機械的に淡々と過ごしたいからこその生活のコツ』、かな。


絵里奈や玲那も似たような形をとってたから、別に違和感なく合わせることができた。こういうところも、たぶん、長く一緒に暮らすには大事な部分なのかもしれない。最初から同じならそれに越したことはないと思うけど、さすがにそういうのはなかなかないだろうし、どちらに合わせるにしても、無理なく合わせられることが大事なんじゃないかな。


付き合ってるうちにそういう部分のすり合わせをしておくのが、結婚してから後悔しない為のコツという気もする。


少なくとも僕は、そのおかげで、今、無理なく結婚生活を続けられてると思うんだ。


玲那の事件のようなことがあっても。


それから、はっきりとした詳細までは知らなくても、玲那の過去のことについて、ある程度は知っていたから、戸惑いもいくらかは抑えられたのかもね。


まったく知らなかったら、さすがに受け止め切れてた気がしないし。


これも、


『相手の過去なんて知りたくもない』


と考える人はそれでいいと思う。ただ、死ぬまでそれを知らずにいられるならいいとしても、隠し事というものはいつかどこかでばれることも少なくないよね。もしばれた時にどうするかというのは、考えておいた方がいい気もする。


でも、僕個人としては、隠し事なんて本当に死ぬまで隠しとおせるものなのかな?って感じるんだ。それこそ、『自分は絶対に交通事故は起こさない』みたいな考え方と同じで、何の根拠も保障もない考え方だと。


だとしたら、やっぱり、もしもの時のことを考えておくのは、保険に入るようなもので、できればそうした方がいいんじゃないかなって気がする。



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