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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百三十五 玲緒奈編 「リハビリも兼ねて」

十二月十八日。金曜日。曇り。




昨日の『個人懇談』では、沙奈子の真面目ぶりを先生に褒められていい気分になって帰ってこれたことで、絵里奈も上機嫌だった。


で、帰ってくるなりメイクを落としてすっぴんになって、玲緒奈に、


「ただいま~♡」


って挨拶すると、


「ぷ~、ぽ!」


玲緒奈もご機嫌で迎えてくれた。


やっぱり、こっちの顔をちゃんと『ママ』だと認識してくれてるんだなと実感する。


一方で、絵里奈が学校に行ってる間、僕と玲緒奈は留守番だったけど、


「ふへっ!、ふへっ!」


僕の膝の上でそんな風に声を上げて手足をばたつかせて遊んでくれてた。ホントに元気だな。僕が、


「玲緒奈~♡」


笑顔で覗き込むと、


「む~ふ!、っぽ!」


とか声を上げて応えてくれる。それがどこまで意図的なものなのかただの『反射』なのかは分からないにしても、ご機嫌なのは間違いないと感じる。


そして僕も、こうやって玲緒奈を膝に抱いて彼女の重みと体温を感じてるとすごく癒されるんだ。


何度も言うように、僕たちは家にこもることが苦にならない。玲緒奈の免疫がまだ十分じゃないっていうのなら無理に出掛ける必要も感じない。寒くなってきたのもあるし、ベランダまで出なくても、窓のところで外を見せるだけで、玲緒奈も楽しめてるみたいだ。


三ヶ月検診の時にはまた出掛けることになるけどね。


ベビーカーに乗せて、散歩がてらゆっくりと歩いて行こう。


ただ、さすがに体が鈍ってきてるのも感じるから、意識して一階から三階まで階段を上り下りするのも始めてる。僕と絵里奈のリハビリだ。実はこれが結構、くるものがある。


「はっはっは!。当然ですな!」


玲那にも言われたし、沙奈子には、


「大丈夫?」


って心配されたりも。


ちょっとずつ、寝られる時間も長くなってきてるし、散歩、と言うかリハビリも兼ねて、


「今日から、僕が買い物に行くよ」


と告げた。


「じゃあ、交代で行きましょう」


絵里奈もそう言ってくる。


「まだクマが残ってるけど?」


僕が言うと、


「もういいです。だいぶマシになりましたし、平気です」


だって。


と言うわけで、今日からは僕と絵里奈が交代で買い物に行くことにする。


でもいきなり歩いてというのはきつそうだったから、まずは自転車で。それで様子を見て、大丈夫そうなら歩いてね。


「大丈夫~?。自転車乗れる~?」


事務所の方から顔を出して、玲那がいたずらっぽく聞いてくる。


「さあ、どうだろ?。だから試しに行ってくるよ。もちろん、気を付けてね」


そう言って僕はゆっくりと自転車を走らせたのだった。



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