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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百七 玲緒奈編 「他人のやり方は関係ない」

十一月二十日。金曜日。雨のち曇り。




もうすぐ玲緒奈れおなが生まれて二ヶ月。ここまで長かったようで過ぎてみればあっと言う間だった。


まだやっと二時間くらいまとめて寝られるようになっただけでも、最初の頃の『寝てるのか起きてるのか分からない』という状態から比べると、なんだかこれでも寝られてるような気がしてくるから不思議だ。


まあ、その分、時間があれば寝るようにしてるからっていうのもあるからかも知れないけど。


単純に時間だけで言うと、一日に十時間くらいは寝てる計算になるだろうし。


連続して寝られないのをそういう形で体が補ってるのかもしれない。


僕も絵里奈も、外出しないこと自体は苦痛にならないタイプだから、余計にこれで合ってるのかもね。


思えば、沙奈子も玲那も、基本的にはインドア派なのか。玲那は、普段の様子からすると出掛けるのが好きそうにも見えつつ、実は家にこもるのも平気なタイプだし。


やっぱり、『似たもの家族』なんだろうな。


そういう、生活サイクルそのものが似ててお互いに負担にならないから楽なんだっていう実感がある。


そう言えば大希ひろきくんも家にこもるのは平気らしいし、千早ちはやちゃんも、


「沙奈とヒロとピカぇがいてくれてたら家でいるのも余裕だよ」


みたいなことを言ってた。


ということは、結局、


『一緒にいるのが苦にならない者同士だから家でもどこでも楽しく時間を過ごせる』


って感じでもあるのか。


あと、僕や沙奈子の場合は、


『雨の日に、家の中で雨音を聞いてるのが好き』


というのもあるな。


だから今日みたいに、雨が降っててくれる方がよかったりもする。


玲緒奈を膝に抱いて、ゆらゆらと揺らしてあやしながら雨の音を聞いてると、うん、すごく癒される。


絵里奈はとにかく『寝る』ことが一番みたいだけどね。


玲緒奈のことを僕に任せてこんな風に寝てばかりいることを責める人もこの世には多いだろうな。だけど僕はそんな人たちの言葉には耳を貸さない。僕たちはこれで上手くいってるんだ。それを自分の主観だけで掻き乱そうなんて考えの人の言葉なんてまともにとり合う必要も感じない。だってそういう人は、言いたいことを言うだけで責任なんか取ってくれないから。


他の誰が認めなくても、絵里奈が僕をちゃんと愛してくれてて気遣ってくれてるのは分かるよ。玲緒奈のことを僕に任せてるのを『申し訳ない』と思ってくれてるのも分かってる。


他人のやり方は関係ない。玲緒奈は僕と絵里奈の子供だ。そして、僕と絵里奈が一番、玲緒奈の顔を見てる。表情を見てる。仕草を見てる。その玲緒奈が機嫌よさそうにしてるんだから、玲緒奈を見てない他人の言うことに振り回される必要なんてまったくないよ。



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