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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千六百四 玲緒奈編 「山下家としての意見」

十一月十七日。火曜日。晴れ。




学校での『あだ名禁止』については、玲那も、


「あ~、私は、あだ名なんて禁止されても痛くも痒くもないかな。実際、勝手にあだ名付けてくるのは敵視してたから。


それは結局、私が抱えてた『事情』が影響してたし、小学生や中学生じゃそれこそどうしようもない問題だったから、いくら親身になられたって逆に負担だったと思う。なにしろ完璧に『刑事事件』だったからね。小学生や中学生でどうにかできることじゃないじゃん。しかもあいつらは裏社会とも繋がってたからさ。警察に目を付けられたらしいことを察してからは裏社会の方から縁を切られて関わりもなくなったらしいけど」


と、


『あだ名とか付けられたくない派』


の意見を述べてくれた。


それに対して絵里奈は。


「私は正直なところ、『あだ名禁止まではやりすぎかな』と思わないでもないんです」


とのこと。だけどその上で、


「ただ、沙奈子ちゃんが『埴輪』ってあだ名を付けられそうになって、それが『あだ名禁止ルール』のおかげで回避されたことを考えると、嫌なあだ名を付けられそうになった時には『禁止されてるしやめてほしい』と言えるっていうのは確かに助かるかな。とも思うんです」


とも言ってた。


だから総じて、


『あだ名禁止ルールがあってもそんなには困らない』


が『山下家としての意見』って感じかな。


さらに玲那が言う。


「こうやって『あだ名禁止』に反対しなかったら、『お前らはあだ名で呼び合う相手もいない陰キャボッチだからだろwww』とか蔑んでくるのがいるけど、そうやって平気で他人を蔑んでくる奴が付けるあだ名って、結局、相手を嘲るためのものだってのが丸分かりじゃん。親しい相手への愛称だってことなら、それこそTPOってのをわきまえたって苦にならないでしょ?。学校にいる間だけ控えたらいいだけじゃん。自分の大切な人のためならそのくらいわきまえられるんじゃないの?。


もし、プライベートにまで学校が干渉してくるんなら、そん時は『越権行為だ!!』って言ってやりゃいいって思う」


で、学校から帰ってきていつもの通りに三階に上がった沙奈子と千早ちゃんと大希ひろきくんとビデオ通話で話をすると、


「私も、禁止されたって平気かな。そりゃ、学校で『沙奈』『ヒロ』って呼べなくなるのは嬉しくないけど、あだ名で呼ばなくたって沙奈もヒロも分かってくれるしさ。


てか、それよりも、最近、『自由』ってもんを履き違えてるのが多いって思うんだ。『学校であだ名で呼ぶ自由』を主張すんのもいいけど、お前ら、自由には責任が付きまとうってのが分かってんのかよ?。嫌なあだ名を付けられた側から訴えられたりする覚悟あんのかよ?。って思うんだ」


って、千早ちゃんが。


彼女が言ってたそれは、きっとほとんどが星谷ひかりたにさんが言ってることの受け売りだと思う。思うけど、彼女なりに考えてるんだなっていうのも感じるんだ。


ただそれも、『今の学校だから』っていうのもあるのは事実かもしれない。


『あだ名を禁止すれば即イジメ防止に繋がる』


みたいな考えで高圧的に押し付けてくるような学校だった場合には、正反対の意見になってたっておかしくないかもね。



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