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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千五百九十四 絵里奈編 「僕の役目なんだからさ」

『他の誰が認めなくたって、僕は知ってる。絵里奈はちゃんと『母親』してるよ』


僕の言葉に絵里奈はとりあえず落ち着いてくれたみたいだった。


そんな彼女を沙奈子も玲那も支えてくれてる。


『母親のクセにそれくらいのこともできないのか!?』


なんてこと、僕たちは口にしない。口にする資格がない。だって僕たちは、それぞれ、少なくない『欠陥』を持った人間だから。決して、完璧じゃないから。


そんな僕たちがどうして絵里奈だけを責めることができると思うんだ。


それでも、絵里奈自身は割り切れないだろうなと感じた。玲緒奈れおなを上手くあやすことができない自分を責めてしまうと思う。


うん、そうだな。きっと、『育児に関する修羅場』は、まさにこれからが本番なんだと思う。


僕と絵里奈は、『親として我が子とどう向き合うか?』というのをこれから試されるんだ。


絵里奈……。僕たちはこれから、何度も心が折れそうになることがあると思う。


だけど僕は、逆に感じたんだ。


『ああ…、これなら大丈夫だ』


って。


僕は、守るよ。これからも守っていく。


だって僕は、この家の『家長』なんだからさ。家族を、家庭そのものを、いろんな苦難から守るのが、僕の役目なんだからさ。


玲緒奈、君が僕にその自覚を改めて教えてくれたんだ。


ありがとう。



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