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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千五百九十 絵里奈編 「一ヶ月検診」

十月二十三日。金曜日。晴れ。




玲緒奈れおなは、まだ、ミルクを飲もうとはしてくれない。


哺乳瓶の乳首が気に入らないのか、ちょっと口でもにょもにょしたら吐き出してしまうんだ。


だけど、別に焦ってはいない。ホントに絵里奈のおっぱいだけじゃ物足りなくなってきたら、たぶん、飲んでくれるという予感があるんだ。この子は、すごく逞しいから。


だから今は、ただ哺乳瓶に慣れてもらうだけの期間だと思ってる。










十月二十四日。土曜日。晴れ。




感染症が怖いからみんなとはまだ直接は会ってないけど、せめてもということで、ビデオ通話で玲緒奈のお披露目は済んでる。


「かわいい~♡」


「これは美人さんだ!」


「健康そうで何よりです」


「こうやって見ると、欲しくなっちゃうよね。結婚する気はないけど」


「確かに。結婚はしたくないけど子供は欲しいって気にはなる」


「胸の奥がキュンッてなるな!」


「いいなあ~」


それぞれ、千早ちはやちゃんと大希ひろきくんと星谷ひかりたにさんとイチコさんと田上たのうえさんと波多野さんと鷲崎わしざきさんの第一声だった。


僕と絵里奈はさすがに人前に出られるような有様じゃなかったから、声のみでやり取りしただけだったりするけどね。


でも、みんなが玲緒奈のことを祝福してくれてる実感があって嬉しい。










十月二十五日。日曜日。晴れ。




正直、それどころじゃなかったからここまで触れてこなかったけど、当然のこととして、星谷さん、イチコさん、田上さんは十月に入って大学の方も再開したから、実は今、フルタイムで事務所に詰めてるのは玲那だけだったりする。


ただし、星谷さんはこれまで通り多忙なスケジュールの中で端末を通じてしっかりと指示を出したりしてくれてるので、あまり変わってない。


イチコさんと田上さんは大学の講義に合わせて変則で出勤してもらってる。


特に田上さんは、『SANA』での仕事の収入で生活して学費も出してる状態なので、夜の十時まで事務所を開けるようにして、仕事してもらってたり。


この辺り、まだまだ家内手工業的な融通が利くことを活かして柔軟に対応してるそうだ。











十月二十六日。月曜日。晴れ。




今日は玲緒奈の一ヶ月検診。


そして、僕と絵里奈も久しぶりの外出。


沙奈子は学校、玲那は仕事だから、病院に行くのは僕と絵里奈だけだ。


母子手帳を出して、改めて生まれた時のを見る。


体重三一五〇グラム、身長四十九センチ、胸囲三十二センチ、頭囲三〇.五センチ。


メモ欄には、


『生まれてきてくれてありがとう。ママより』


という絵里奈のコメント。


入院中に受けた『早期新生児期検診』では、


体重三〇八〇グラム。哺乳力・普通。黄疸・普通。出生時の異常・なし。その後の経過中の異常・なし。


の記述。


今日また、ここに、一ヶ月検診の結果が書き込まれるんだ。



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