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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千五百八十九 絵里奈編 「そこまでの責任はないからね」

十月二十一日。水曜日。晴れ。




玲緒奈れおなは、本当に元気だ。生命力に溢れてる。食欲も旺盛で、余るくらいに出てるはずの絵里奈のおっぱいを、両方飲みつくしてしまったりもする。


「これは、そろそろミルクを足さないとダメかもしれませんね……」


出産のダメージからはほぼ回復できたらしい絵里奈が、でも寝不足からくるクマは浮かせたまま、苦笑いしてた。


「確かに……」


僕も正直、そう感じる。


というわけで、ミルクの準備を始めた。


なんだかんだとプレゼントされたミルクの中から新生児用を手に取って、例のミルク用湯沸かし器でお湯を作る。


次のおっぱいの時に試してみるために、まずは用意だけしておくんだ。


哺乳瓶も用意し、玲緒奈が生まれる前に何度か練習したとおりに、キッチンで鍋にお湯を沸かして、哺乳瓶と、哺乳瓶の『乳首』を煮沸消毒する。


消毒用の液も売ってたけど、なんとなく煮沸消毒の方が安心できる気がして、そっちを選んだ。


消毒液の方は浸けておくだけでいいから楽なんだろうけどね。


『安心できる気がする』という部分を超えるほどの手間の差がないというのが僕の実感かな。だったら、気分的にいいと思える方を選ぶというのもアリだと思うんだ。










十月二十二日。木曜日。曇りのち雨。




昨日は、あの後、ミルクも用意したけど、玲緒奈は結局、飲んでくれなかった。絵里奈のおっぱいだけで満足したのかもしれない。


哺乳瓶を近付けたら、いったんは口に含んでくれたけど、なんか難しい顔をしてすぐに離してしまったし。


作ったミルクは、


「コーヒーに入れて飲もう」


玲那がそう言ったから、彼女に使ってもらった。


ちなみに、絵里奈は、おっぱいに影響するかもしれないと考えて、カレーなどの刺激物や、カフェインの入ってる飲み物や、お酒の類は、妊娠が判明してから、一切、口にしていない。


だから、僕も絵里奈だけにそれを我慢させるのは嫌だったから、同じように基本的には口にしないようにしてた。


たまにコーヒーくらいは飲んだりもしたけど、それも、玲緒奈が生まれてからは僕も完全に断ってる。


ただの自己満足なのは分かってる。僕がカレーを食べたってコーヒーを飲んだって、玲緒奈には何の影響もない。でも、絵里奈がそれを我慢してる前で僕が楽しむってのは僕自身が納得できなかったんだ。


その一方で、沙奈子や玲那にまで我慢してもらおうとは思わない。


僕と絵里奈は玲緒奈に来てもらう選択を行った責任があるけど、玲緒奈と同じく『僕の子供』という立場の沙奈子と玲那にはそこまでの責任はないからね。



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