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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千五百十三 絵里奈編 「最終的な決断は自分がする」

八月八日。土曜日。曇り。




今日は、また、沙奈子のドレスのデザインの着想を得るために、水族館に行く。


「ほいほ~い!。私も行く~!」


「じゃあ、僕も」


朝からうちに来て、沙奈子と一緒に二階のリビングで勉強をしてた千早ちはやちゃんと大希ひろきくんも行くことになった。


そうなると当然、星谷ひかりたにさんも同行する。


「だったら、私も」


スマホで連絡を取ると、田上たのうえさんはそう言ったけど、


「あ~、私は今日は、家でゆっくりしてるわ~」


イチコさんは、明け方まで課題に集中してたそうで、眠そうな声でそう応えた。


だから今回は、千早ちゃん、大希くん、星谷さん、田上さん、沙奈子、僕の六人で出掛ける。


と言っても、最近はずっとそうしてるように、水族館につけばもう別行動だ。千早ちゃんも大希くんも、沙奈子の邪魔はするつもりないそうだから。


それでももちろん僕は沙奈子に付き添う。中学生の女の子を一人で何時間も放って置く気にはなれないし。千早ちゃんや大希くんが安心して別行動取れるのは、僕がいるからっていうのもある。


確かに沙奈子も、小学生の頃よりはしっかりしてきてると思う。自分のことが自分でできるのもそうだし、本当なら水族館まで一人ででも行けるようにはなってるだろうな。


だけど、世の中にはよからぬことを考えてる人は確かにいる。見ず知らずの三歳の子をいきなり後ろから蹴るような人だっているからね。過保護とか言われたって関係ない。後悔したくないから。


絵里奈も、玲那も、


「もちろん、沙奈子ちゃんが大事です」


「絵里奈は私がいるから大丈夫だよ。沙奈子ちゃんを守ってあげて」


とのことだった。


絵里奈自身、お腹が大きくなってきて大変なのもそうだけど、だからといって家でじっとしてるだけだと運動不足で筋力が落ちてしまって逆に出産の時の体力が心許なくなってしまうということで、家事をしっかりこなしたり、日が暮れてから歩いてスーパーに買い物に行ったりしてる。


ただ、だからって水族館に行くというのは、万が一のことがあったりしても嫌だし、遠慮しておく。


もう九ヶ月目に入ったからね。予定日まではまだ日にちがあるといっても、急に産気づいたりってことがないとも限らない。


『過保護』とか『気にし過ぎ』とか言う人がいるとしても、そんなことを言う人たちは、もしものことがあっても責任は負ってくれない。だから僕たちは、自分で判断して自分で決める。アドバイスとかを貰うことはあっても、最終的な決断は自分がする。


好き勝手なことを言ってる人たちは、自分の言動に、いったい、どれだけの責任を負っているんだろうって不思議に感じるんだ。



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