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大切なことはいつだって、目には見えないエピローグ。
アリアドネは、慈愛と博愛の女である。
ディオは、偏愛と狂愛の男である。
彼は欠片も気づいていない。
彼女が無意識に、だが、いつも真っ先に触れ求めるのは、彼であることに。
アリアドネはディオを『赦すのか』?
――答えは、『否』。
そもそも彼女には、ひとを裁く概念がない。
領主の娘として生まれ、今日まで在る彼女は、民の協力や努力なしに上は成り立たないと識っている。
命は財産であり、かけがえのない宝。それ以上でもそれ以下でもないのだ。
彼女が優しく抱く光を、あまりに毒々しい魔物の男は愛した。
ただ、獰猛な魔物は知らない。
その魔物にだれよりも心を許し、なによりも『かわいい』と――。
女は心から信じ、既に、その男を択んでいるのだ。
【了】
貴重なお付き合いを賜り、誠に誠にどうもありがとうございました!




