表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

内気なライオンと優しいチーター

掲載日:2026/02/17

この季節は雪が積もったりとまだまだ寒い季節が続きますね。

寒いのは得意ではありませんが、ヨシタカは元気です。

 大きな体をしたライオンさんがいました。

 ほかの動物たちと仲良くしたいと思っています。


 けれども、ライオンさんが近づくとみんな怖がって逃げてしまうではありませんか。


 それがとっても悲しかったのです。

「どうしてみんな逃げちゃうの……」


 ライオンさんは悲しくって毎日泣いていました。

 そんなライオンさんにも一匹仲のいい動物がいます。

 それはライオンさんのように大きな体をしたチーターでした。


 泣いているライオンをチーターはなぐさめてくれます。


「だいじょうぶだよ! きっとみんなもわかってくれるから」

 いつもなぐさめてくれます。

 けれども、ライオンはしょんぼりしたまま暗い顔をしていました。


 そこで、チーターは言うのです。


「おれがみんなをおそうから、それを助けてあげればいいよ」

「そんな! チーターくんがわるものになっちゃうよ」

「ライオンくんは仲良くなりたいんだよね? だったら、みんなのヒーローになろう」


 チーターがほかの動物をおそい、ライオンが助けるという話でしたが、納得なんてできるはずもありません。

 だって、チーターはライオンの大切な一番の友達だったからです。

 それから、二匹はお話をずっと続けますが解決なんてしません。


「ライオンくんはワガママだよ!」

「だ、だって! しょうがないよ」


 最後にはケンカをするみたいに別れることになりました。 


 次の日、みんなが集まる水飲み場に行きますといつも通り逃げられてしまいます。

 しょんぼりしながら、水を飲んだり、のんびりとしますが、その日はチーターに会うことはありませんでした。


 それから何日も会うことはありません。

 しかし、ある日のことです。

 いつものように水飲み場に行くと、大騒ぎする声が聞こえてきました。

 なんでだろうと見に行くと、チーターがあばれているのです。

 ほかの動物たちにおそいかかってみたりといったいどうしたのでしょう。

 あわててライオンが止めに行くのでした。


「ち、チーターくん!? みんなこわがってるから、やめなよ」

「うるさい! みんな食べてやるんだ」


 いつもの優しいチーターの姿はどこにもありませんでした。

 他の動物たちはただ逃げるだけです。

 ライオンはみんなを守るようにして、立ち向かいました。

 にらみあってから、チーターがとびかかります。

 ライオンもまけじととびかかり、とっくみ合いになりました。

 ぐるぐる周りながら、チーターはライオンにだけ聞こえるように言います。


「そのまま聞いて。おれをおもいっきりおして、おいはらって」

「えっ!? わ、わかったよ。えいっ!!」


 ライオンがチーターを押しだします。

 すると、そんなに力を入れていないはずなのに、おもいっきりたおれこむのでした。

 周りの動物から、喜んでいる声が聞こえてきます。

 けれど、ライオンはちっともうれしくなんてありません。

 チーターはというと、むくりと起き上がり、どこかへ走りさって行きました。


「チーターくん!」

「わぁああ! ライオンさんありがとう」

「もうダメかと思ったぁ」


 ライオンの想いとはうらはらに仲良くなりたいと思っていた動物たちは近づいてきてくれます。

 一匹一匹がお礼を言ってくれました。

 ずっと仲良くなりたいと思っていたライオンにチャンスが訪れたのです。


「大丈夫! またなにかあったら、いつでも力になるからね」

「ありがとう、ライオンさん!」

「いつも逃げちゃってごめんね」


 それからはすっかりとほかの動物たちと仲良くなったライオンでしたが、その心はもやもやしたままです。

 だって、一番大切な友達の姿はもうどこにもありません。


 いつも悲しそうにしているライオンに一匹のリスが訪ねます。


「うかない顔をしているけど、ライオンさんどうしたの?」

「チーターくんがどこにもいないんだ」

「あの怖いチーターさん? きっとライオンさんはなんで気にしているの」

「ずっと友達だったんだ」


 すると、リスは言いました。


「大切な友達なら、探しに行かないと! だって、ケンカ別れなんて悲しすぎるもん」


 リスに言われ、ライオンはもやもやしていた心がなんなのかわかりました。

 それは大切な一番の友達がそばにいないこと。

 みんなと仲良くなれて嬉しくないわけじゃありません。

 ですが、そこにチーターの姿がないコトが悲しくてしかたなかったのです。


「リスくん、ありがとう」


 リスにお礼を言って、ライオンはチーターを探しに行くことにしました。

 草原はもちろん、近くの森の中にはもちろんいません。


 もっとずっと遠い場所へなにも言わずに行ってしまったのです。


 ライオンは探しました。


「チーターくん……」


 けれども、見つかりませんでした。

 ライオンはしょんぼりと肩を落としながら、みんながいる森に帰ります。


 みんなと仲良く暮らしながら、ライオンは今もチーターが帰ってくるのをいつまでも待ち続けるのでした。


 おしまい。

ここまでお読み頂きありがとうございます!

評価・コメントを頂けると励みになります。


まだまだ寒い時期が続きますので、皆さま体調にはお気をつけくださいね


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ