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プロローグ
何をやっても上手くいかない劣等生サキュバス、リーニャは一人前のサキュバスになるために今日この世界に降り立ったのだった、
「……わたしと遊ぼうよ!!!!」
学校帰りに公園に寄り道して野良猫たちに缶詰をあげていると、遠くから女の子の甲高い声が聞こえてきた。あたりを見渡しても女の子の姿は見えない。
「きゃああっ」
その時突然、小さな悲鳴と共に小さな女の子が突然現れた。
「…イテテテっ」
…空から降ってきたのか?…いやそんなはずは…と戸惑いながら大丈夫?と声を掛けると女の子の大きくて丸い瞳と目が合った。
「うん、驚かせてごめんね」
「ねぇ、もしかして君さっき俺に声かけた?」
「うん!…えっと…わたしと遊ぼうよ!!」
…まずい…いくら年下だからといっても女の子への断り方なんてわからないんだが…
「…えっと……君小学生かな…?おかあさんのところに戻ったほうがいいんじゃないかな?」
「わたしは小学生じゃないよ?わたしは……」
………
急に黙り込むなよ…
「まぁ、とにかく早く家に帰ったほうがいいよ」
そう言って逃げるように自宅まで走った。