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愛を知らない貴方

3/9 14時 そのうちライチ版の『愛を知らない貴方』を書こうかと思い、3人の使用人のプロフィールを挿入しました。作品中のテンポが落ちているかも知れませんが、技術不足なので目を瞑ってください。


誤字報告ありがとうございました。

大変助かります(*^^*)

 「君のように身分の高い人には、最初から僕では釣り合わなかったんだ。だから、気安いカーマインに手を出してしまった。今さら何言っているんだと思うだろう。でも本当に済まないんだが、婚約は解消にしてくれないか?」


今さら彼は、私の身分が原因の不貞だったと言い出した。話し合いの時に私がしおらしくしていたからだろう。もし許されるなら、このまま婚約を継続したいと言い出しそうだ。


もう既に、彼の不貞があったことは私の家族や一部の使用人には公然の事実だった。

私がある方法で暴露をすれば、彼らは貴族でいることも出来なくなるだろう。


私ライチ・ユズリキュールは、公爵令嬢。

婚約者のカルミン・プレリュード侯爵令息は、私の従姉妹カーマイン・ストロベリー子爵令嬢と浮気をしていた。





◇◇◇

遡ること、数か月前―――――――――

それは、定期的に行われる婚約者同士のお茶会。

本日の舞台は公爵家の応接室だった。


カーマインがお茶のおかわりを用意する為に部屋を去り、カルミンはお手洗いで席を立った。あまりにもカーマインの戻りが遅いので他のメイドに確認すると、彼女も茶器も食堂に戻っていないそう。その為カーマインを探す為に、取りあえず彼女の部屋に向かっていた。


案の定、部屋から物音がする。

普段から段取りの悪い彼女だから、ドジでもして衣服を汚して此方に戻ったんだろうか?

他にも誰かいるのか、会話する声が僅かに漏れ聞こえた。


「ああ、カーマインよ。君の白い首筋に、今すぐかぶりつきたいよ」

「そんなぁ。駄目ですわよ、そんなこと。………ここでは、ダメっ。ああ、カルミン様ぁ」



聞き覚えのある声に一瞬硬直し、部屋の扉を少しだけそおっと開ける。

若い二人の恋の駆け引きは、情熱的で目を背けたくなる程恥ずかしい。けれど私は、別の意味で肩を震わし目を背けたくなった。隣にいる侍女のブランに、小声で話しかける。


「ねえ。私の婚約者である筈のカルミン様が、従姉妹のカーマインと浮気してるわ。いえ、もしかしたら、私の方が邪魔者かもしれないわね。ねえ、ブラン。どう思う?」


話を振られたブランは顔をしかめ、ゲジゲジでも見るように扉の奥の二人を凝視する。

「ライチ様怒んないんだね。まあ、あんな奴だって薄々気づいてたんでしょ? 落ち着いてるもんね」


半ば呆れたように告げるブランに、私は苦笑する。

「貴族だもの、政略結婚は義務なのよ。でも、でもね、こんなシチュエーション(場面)、超レアよね。………どうしよう、(ほとばし)るんですけど!」


「止めてお嬢。また私が旦那様に怒られっから!」


焦るブランの小声の悲鳴は、もう私には聞こえていない。嬉々として赤面し、中の二人を目に焼き付ける。

「あらあら。婚約者の家に来て、婚約者の従姉妹に手を出すなんて。雄みが強すぎるのか、愛が溢れているのか、下品なのか? あら、スカートの中に手が! まさか、始めちゃうのかしら? きゃっ」


恥じらっている振りをしながら、興奮を抑えられない私。実は私、別名で恋愛小説を書いているんです。これはリアリティー(現実性)のある素材になるわ!


「ほおほお。まあ、あらっ」

「お嬢、ソコまでです。見逃しますか? 押し入りますか?」


う~んと思考し、「今回はどちらもパスするわ。今日の日記に時間も記載して、貴方の記名もしておいて。不貞の証拠にはするから。何よりもっと、この恋愛の行方が知りたいわ。実は締め切り近いのよ」とブランに伝え、渋い顔をされた。

「はいはい、良いですよ。どうせわたしゃ雇われですからね」

「ごめんって。もう少し手伝ってよ」


いくらネタにすると言っても、不貞は不貞なので証拠は残しておくのは、淑女の基本よ。


カルミン様は侯爵家の嫡男で私の5歳上だった。下に2人の弟さんがいるわ。

波打つ金髪を背まで伸ばし、王宮近衛兵として城勤めしているの。知力は普通だけど、剣技の腕は評価されていての抜擢みたい。顔と言えば、すれ違う宮女も赤面の硬派な感じのイケメンで、本人も礼儀正しく振る舞うので人気があるのだそう。だから私の婚約者になったみたいなのよね。


カーマインは父の妹(叔母)が子爵に嫁いで生まれた、私と同じ17歳。他に兄2人がいて、末っ子のカーマインは夢見がちな上に甘やかされていたわね。全員ピンクの艶髪と、黄色の瞳の優しい家族よ。みんな文官や秘書のような仕事で、権力からは遠い生活をしているの。

彼女(カーマイン)は美人と言うより可愛らしく、声もやや高めの幼い印象ね。胸だけが大きく、アンバランスな魅力があるわ。



そうそう私、ライチは公爵家の一人娘。ああ、兄がいるから一人っ子ではないわよ。

ややつり目の濃いブルーの瞳と、銀のサラサラの髪なので、冷たい印象を持たれるけれど、話すと面白いと言われているの(美人とは言われないの。モブ顔だからね)。胸が乏しいのが悩み。まだまだ成長期だから、これからよ!



恋愛小説が大好きで、かなりの蔵書を集めて読みまくったわ。侍女やメイドにも貸し出して、意見交換にいそしんでもいたの。


そしてつい最近、別名のハルベリー・アイランドでデビューしたのよ。でもそれは、お祖母さまとお祖父さまの若い時の熱愛を取材した、ノンフィクションを元にしたもの。だから執筆力は怪しいのよね。どんな話かって?


かい摘むと、恋多き伯爵令嬢と堅物(で口数の少ない)公爵令息の焦れったい恋物語ね。真面目なお祖父さまが、美しい社交界の華のお祖母さまへ、数多の美男達を前に手紙と花束攻撃で気を惹きまくり結婚するハッピーエンド。これはモトネタに気づく人も多くて、話題性も一役買ったの。


で、今回は悲恋ものが良いなぁって、思ってて。

そしたら先程、取材対象が転がり込んできたのよ。私が悲恋? の令嬢ポジションなのが複雑だけど、創作意欲が湧きそうなの。行き詰まってたから、助かるわ。



そうそう従姉妹のカーマインは、私がカルミン様と婚約が決まってからこの家にメイドに来たのよ。なんでも結婚前の行儀見習いですって。私の婚約が決まってかなり憤っていたのに、コロッとにこやかに態度を変えて家に来たのよね。


使用人部屋じゃなくて、豪華な方の客室に泊まれるようにお父様に頼むし、侍女の技術がないからメイドしかさせられないのに、侍女の真似ごとしかしないし。ほとんど役に立たないので、私の両親も呆れ顔だったわ。でも叔母の子だからと、目を瞑ったみたい。叔母様は常識人なので、カーマインがこんなことになっているのを知れば、気絶するかもね。



これではっきりした。

ここ(公爵家)に来たのはカルミン様狙いだったようね。

意図的なら遠慮はいらないわ。

だからこっちも反撃しても良いわよね。

叔母様ごめんね。



私は前作の印税で、探偵に彼らの調査を依頼し、家内では信頼しているメイド長と侍女と執事の3人に、二人が揃っている時の観察をお願いした。きっと人気のない所にしけこんだり、隠れて会う筈だからね。両親に伝わると婚約破棄とかになって取材が出来なくなるから、他の使用人達には内緒にして貰った。


最初は渋っていたけど、賄賂と言う名の高級マカロンで買収した。美味しいよね、マカロン。


「仕方ないですね。旦那様に内緒なのは、今回だけですよ」

30代の執事ラルフィは、困ったように眉根を軽く寄せるも、微笑んで承諾してくれた。黒髪で長身の彼は、所作も容姿も美しい。元孤児なんて誰も信じないだろう(ちなみに彼の養父が、執事長の強面アンディである。蛇足ね)。


「ええ、勿論よ。ありがとう、ラルフィ」


「私はもっと、たくさんお菓子食べたい。なんせ肉体労働なんで、すぐに腹減るんだ!」

「まあ、ブランはしたないですよ。公爵家の人間として、もっとちゃんとなさい」

「クレア、うるさい。怒ると、シワ増えるよ」

「何だと? 表出ろクソガキが!」

「まあまあ、クレア。クレアはメイド長で忙しいでしょ? 無理しなくて良いからね」

「いいえ! お嬢様の命令ならば、何人でも屠りますから」

「ははっ。今は屠らなくも良いかな」


ブランは侍女でクレアはメイド長なんだけど、40代のクレアはこれまた所作も美しく、黒縁伊達眼鏡装着の赤髪で妖艶な美人なの(眼鏡は印象をぼかしているらしい)。普段清楚にしているから、彼女の方が侍女みたいなのだけど、数多いる使用人をラルフィ達と仕切る(調教?する)のは、誰かに付く侍女だと時間の調整が困難らしいの。それでメイド側にいるのよね。


ブランは、お母様が私の為に雇った忍者の末裔らしい。祖国のいざこざで、逃げてきた所を保護したらしいの。年齢はたぶん10代だって。彼女もまた、詳しい出自を知らないみたい。私は過去に何度も誘拐されかけ、お母様は信頼できる人を付けたいと、ずっと候補者を探していたの。彼女と私は主従契約を結んだので、彼女は一生私と過ごすことになる。その絆は、彼女の心との契約で魔法ではないけれど、どんな矜持よりも強いそう。そんなことしなくても、私はブランを信じているけどね。私より小さくて幼さが残る彼女。その黒髪と大きな漆黒の瞳は、時々私の顔をじーっと見て嬉しそうに微笑むの。私はその笑顔がとっても好きなのよ。



・・・・・彼らは別に、お菓子(賄賂)に釣られた訳ではない。相談内容を考慮している間に、ライチがマカロンを持参し、手ずから口にマカロンを放り込むから断れなかったのだ。「美味しいでしょ」とニヤけて聞いてくるものだから。

普段からこんなに可愛らしくて、気さくなライチはみんなに愛されていた。




◇◇◇

結局カーマインは、あれから30分くらい経ってから戻ってきた。カルミン様はその5分くらい後に戻ってきたわ。


ブランがうんこだったか聞いてみようか? って耳元で囁くから、紅茶を吹き出す所だったわ。その話に触れても良いことないわよ。それにボロが出るかもしれないじゃない。まずはカーマインからね。


「カーマイン、少し遅かったわね」

「ああ、ごめんね。お湯をなかなか沸かせなくてぇ」

「そうなのね」


カーマインは謝るものの、勝ち誇った笑みを見せた。

なる程、この描写使えるわ。


カルミン様は無言ね。

特に言い訳はしないみたい。


そうして当たり障りのない会話をして、その日はお開きになったの。カルミン様を見送る時、ちゃっかりカーマインもいたわね。そしてカルミン様の顔も、私よりカーマインに向いていたような気がした。僅かに胸がチクンとしたのは、胸焼けかしら?


「カルミン様って、本当に素敵ね。あのガッチリした体、美しい(かんばせ)。貴女は幸せね、ライチ」


カーマインに話しかけられると、先程の部屋の映像が浮かぶ。

あの後のことは、通りすがりの執事に任せてきた。後で報告を聞こう。忙しいのにごめんね、ラルフィ(執事)


「そうね、私は幸せだわ。来年には結婚だもの」

少し煽るように言えば、カーマインは頷く。


「なれると良いわね。プレリュード侯爵夫人に」

「ええ、ありがとう」


彼女は、どんな感情で話しているんだろうか?

私はちゃんと微笑めているかしら?




◇◇◇

翌日執事が部屋に訪れて、あの部屋のその後のことを報告してくれた。


「抱き合っただけで、結合までには至りませんでした」

「ああ、そうなのね。ご苦労様、ラルフィ」


ラルフィが入れてくれたラズベリーティーを、こけ桃のチーズケーキと味わう幸せ。


さすがに邸では事に及ばないか。

どうしようかな?


『小説の初期設定は、悲恋の乙女が公爵家か王族の美しくて奥ゆかしい娘。美しい騎士と悲恋の乙女の幼馴染みの少女が好きあっていたのに、政略婚約の為に二人は引き離される。それでも諦められない二人は、人目を忍んで逢瀬を繰り返す』が編集さんに送った内容なのよ。


悲恋の乙女の描写は私とは違う性格だけど、騎士と幼馴染みの部分はかするかもね。公爵家の令嬢部分は、そのままだとばれるかな? ここは王女に変える?


設定さえぼかせば、公爵家でのエピソードも詰め込めるわね。もう悲恋の乙女は、目茶苦茶可愛くしようかな?

引き離された恋人達の気持ちも解るけど、王女はさらに切なく可哀想だって思われるように。

現実では、カルミン様とカーマインは恋人ではなかったし、そもそも好きなら婚約解消してから結ばれるのが筋でしょ? それなのに婚約者の邸でイチャイチャするわ、婚約も止めたいと言わないのでは誠実じゃないわ。


別に王命じゃないんだから、筋を通せば付き合える二人なのに。カーマインは乗り気だから……カルミン様が渋っているの、かしらね。


まあ、どちらにしろ、様子を見ながら婚約解消に持っていこうと思うの。

今は、小説の完成を急ぎましょう。




◇◇◇

「ハルベリー先生、今作もすごい反響ですよ。重版かかりまくりで、舞台の話も来ています!」

「本当に? スゴいですね。これも編集長の助けがあってこそですよ」


あれから取材を重ね、念願の2作目の小説が出版された。

題名は『王女の悲劇と許されぬ恋人達』である。


その物語は・・・・・《ある国の金の髪を持つ美しい王女プラムは、幼い時から5歳年上の令息ミンティアンに憧れを持っていた。ミンティアンは波打つ黄金の髪の侯爵令息。騎士を目指す彼をプラムは密かに応援していた。プラムを愛する国王は、15歳になる歳にミンティアンをプラムの婚約者とした。そして王宮近衛兵として採用する。真摯に武道の道を行く彼の隣には、幼馴染みの伯爵令嬢ビリジアンがいたが、彼の両親は高位貴族との結び付きを求め、婚姻もそれを望んでいた。その為にビリジアンとの交際を認めることはなかった。彼女の両親もそれを知っており、ビリジアンには別の婚約者を探そうとしたが、固辞されていた為様子を見ることにした。

「私は家に迷惑をかけないように、職業婦人となります。だからどうか、婚約などさせないでください」

娘の思いを知り、悩みながらも頷くしかなかった善良な両親。彼女は従妹であるプラムの侍女となり、王宮で勤めることになった。ビリジアンの母がプラムの乳母だった為、ビリジアンとプラムはいつも一緒にいた幼馴染みである。プラムが5歳になるまでは姉妹のように過ごしていた。その後に隣家のミンティアンと交流を深めていたビリジアン。彼女はプラムがミンティアンを好きだと知らなかった。ピンクの艶やかな髪と妖艶な肢体を持つビリジアンは、王宮で人気があった。ある時、王宮勤めの年上の伯爵に絡まれ、振りほどけない状態になった時、助けてくれた騎士がミンティアンだった。元々幼馴染みの二人は、急速に距離が近づいていく。そして惹かれあい、時間を合わせて逢瀬を重ねる二人は、ある時王宮のビリジアンの部屋で愛を囁き抱き締めあう。

「ああ、ビリジアンよ。君の白い首筋に、今すぐかぶりつきたいよ」

「そんなぁ。駄目ですわよ、そんなこと。………ここでは、ダメっ。ああ、ミンティアン様ぁ」

熱く強く抱き合う姿を、プラムは偶然目撃してしまう。プラムは愕然とした。清廉潔白だと思っていたミンティアンが、()りにも()ってビリジアンと愛し合っていたのだから。彼女(プラム)は内密に他の侍女に二人のことを調べて貰う。すると幼い時から、二人が思い合っていたことを知ったのだ。調査した侍女はあまりのことに黙していられず、侍女長に相談後に国王に報告した。それを知り怒れる国王だったが、プラムはそれを宥めた。

「お父様、怒らないで下さい。私はミンティアン様が好きですが、ビリジアンのことも大事なのです。姉妹みたいなものですもの・・・・・」

その後国王に呼び出しを受けた、ミンティアンとビリジアン。国王の冷たい眼差しと威圧に、二人は震えた。

(自分達のことが、ばれてしまったのだろう。……でももう、離れられない。彼女となら、彼となら、共に罰を受けよう)

二人はそう思い、床に手を突いて謝罪をした。自分はどうなっても良いので、できるなら相手の罪を軽くして欲しいと。その思いに国王は罰を与えず、二人を解放した。プラムも陰からその様子を見て、自分の決断は間違っていなかったと頷きながら涙した。その後ミンティアンは王宮近衛兵を辞し、生家へ除籍を願い魔獣の跋扈する辺境騎士団に入団した。その隣にはビリジアンがいて、いつも彼を支えている。ミンティアンの両親は辺境に行くことを止めたが、王命に背いた自分がいては迷惑がかかると引かなかった。ビリジアンの両親も危険がある辺境に行くことを止めたが、彼女の意思は変わらなかった。こうして二人は辺境で結婚し、生涯をそこで暮らすのだった。プラムは隣国の王子と婚約後、結婚する為に祖国を去った。王子に大切にされ、幸福に過ごすプラム。子供達に囲まれて微笑む彼女は、ミンティアンを好きになった年齢となる子供達を見て、当時を思い出す。

(本当に好きだったのよ、ミンティアン様・・・・・)

花咲き乱れる王宮の庭園で、遠い追憶の人を懐かしむプラムは一筋の涙を落としていた》


と言う感じのあらすじよ。

詳しく書くと、(ライチ)(ほとばし)るエロ台詞も出てくるのだけど、とてつもなく長くなるから今回はここまでね。




◇◇◇

その後も本は売れまくり、きっちり儲かりました。

私も含めて、悲恋って良いよね。切ないわ。


でも現実は違うのよね。

カルミン様はカーマインと定期的に会って、肉体的接触も持っているし、カーマインの調査員からは「ヤッター!妊娠したから、カルミン様と結婚できる」と言うのを聞いたそうよ。

でも私は、カルミン様から定期的な手紙やプレゼントも頂いているし、夜会のエスコートもされているの。なんか違わない? 責任って言葉を知らないのかしら? そうでなくても、私とカーマインが親戚なのも知らなそうだし。

やっぱり知力は普通ってことだったけど、かなりおまけされてたのね。近衛兵にそれほど頭脳は求めてないものね。それか浅慮が過ぎるのかしら。


もう潮時ね。

私はお父様に証拠を提出し、婚約破棄をして貰うことにした。




◇◇◇

「どう言うことですか、ユズリキュール公爵。急に我々を呼び出しておいて、此方の有責で婚約破棄だなんて。冗談ですよね?」


カルミンの父親エルム・プレリュード侯爵は、公爵家の応接室で声を張っていた。いつもは温厚な人なのだが、さすがに先触れもなく、すぐに公爵家に訪問するようにと従者から命令を受けて驚いたのだろう。我が公爵家と事業提携もしているので、婚約破棄等すれば恩恵から外れる所か大損害を被るのだ。


声をかけるよりも先に、こちらの証拠を見て貰った。

探偵社と使用人達からの調査、そして私が何度か目撃した時の日付と時間と一緒にいた使用人の名前も見せた。

それを手に取り青ざめるのは、侯爵夫妻とカルミン様だ。

「なんだこれ? こんなの捏造だ!」

「これも、それも、探偵も? ああ、カルミンよ。何てことをしてくれたんだ」

「嘘よねぇ、カルミン。貴方騙されたんでしょ? そうよね。貴方うぶだから、性悪な女に翻弄されてしまったのよね。可哀想に」


カルミン様は証拠は嘘だと怒り、侯爵は絶望し、夫人は息子を庇い女のせいにした。夫人、半分正解です。従姉妹が済みませんね。


お父様も、黙っていられず口を開く。

「この探偵の証拠は法廷でも正式な証拠になるし、公爵家の使用人が嘘を言う必要はない。一番にライチが見ているんだ、言い訳できんよ。君だって、心当たりがあるだろう?」


あくまでも冷静に、淡々と司会進行するのはさすがです。

「でも、でも、見たんなら言ってくれれば良いだろ。そうすればこんなこと続けなかったのに !」


まさかの責任転嫁、来ましたよ。

すかさず私も反論する。


「だって、聞くのが怖かったんです。それに気の迷いなら、すぐに別れると思ったんです。カルミン様は真面目な方だと伺っていましたから」

ハンカチを目に当て悲しげに俯けば、それ以上の言及はされなかった。


「ライチ、君は・・・」

二人の抱き合いを見てから、急速に笑顔を作れなくなった私はあまり感情を大きく出さなくなっていた。そこに涙する私を見て、思うところがあったのだろう。


当事者の私の声に、何も言い返せない侯爵夫妻とカルミン。そこに私が更なる爆弾を落とす。

「カルミン様。カーマインは妊娠しているようですわ。直接聞いた訳ではありませんが、ベテラン侍女が彼女の会話や体つきも確認しておりますし、間違いないかと思いますわ。是非お話しになってください」


カルミン様は白を通り越して、紫に顔色が変わっていました。

「嘘だろ? 避妊薬飲んでいるって言ってたのに」


あらあら、確かな証拠をまたゲットですわ。

ことには及んでいたのですね。


お父様はカーマインが姪だと明かし、婉曲に夫人の性悪女発言を牽制した。もし妊娠が本当なら公爵家と血縁であれば、責任を避けられないと認識させたかった狙いだ。

お父様だって、姪であるカーマインに情はあるのだ。出来れば幸せになって欲しい。そう思えるのも、私がカルミン様に何の感情も抱いていないようだからだ。もし私がカルミン様を愛していたなら、こんな優しい気持ちは持ち得なかっただろう。


カルミン様達は、公爵家の縁戚をまったく把握してないようだ。少なくとも祖父祖母、お父様の兄弟姉妹とその子供くらいは把握すべきだったろう。逆に何で調べていないのか謎だ。


本日の話は一度終わらせ、後日ストロベリー子爵家と話しあいの後に集まりを持つことになった。

結局この時、カルミン様からの謝罪は聞けなかった。項垂れて時々私を見るカルミン様だったが、ついぞ私から話しかけることはなかった。侯爵夫妻からは振り子のように頭を下げられて、申し訳ないと何度も謝罪をされたのだった。




◇◇◇

ストロベリー子爵夫妻は、プレリュード侯爵の突然の訪問に驚愕した。我が儘ばかりの末っ子カーマインが「伯父さんの家で花嫁修行してくる」と言って、メイドとして働いていた筈なのに、(ライチ)の婚約者と浮気して妊娠したのではと告げられたのだから。


早速カーマインを公爵家から連れ戻し、真偽を尋ねる子爵夫妻。子爵家のメイドと病院へ行き、妊娠4か月と診断されたと言う。二人の兄と子爵夫妻は倒れそうになっていた。

(いつまでも子供っぽい子だと思って油断し、大人としての振る舞いが不足気味でも強く咎めなかった。無理させず、格下の貴族に嫁げば問題ないと思っていたから。………それが駄目だったのか?)



その直後、先触れも出さずに駆けつけた子爵夫妻は、侯爵家の門前で跪いた。

「わ、私の教育が可笑しかったのです。申し訳ないです。侯爵様方。うっく、ひぐっ」

「娘が申し訳ありません。私達をお好きに御処分下さいませ!」

頭を下げ続ける夫妻に、侯爵夫妻も気の毒になる。

「いえ、カルミンも悪いのです。頭を上げてください」 

苦悩する子爵と、泣き叫ぶ夫人。カルミン様とカーマインは、この席からはずれ各家で軟禁されていた。


「お母様、部屋から出して。私がライチに勝ったのよ。子供がいれば、カルミン様は結婚してくれるわ。私が次期侯爵夫人になるのよ。ふふっ」


何も知らずにいるカーマインは、この世の春のように振る舞い幸福そうだ。

(馬鹿じゃないの? この女。寄り親に逆らって生活していけると思っているの ? なんで善良な子爵様から、こんな馬鹿子(ばかご)が生まれたのだろう。子爵家はどうなるんだろう?)


ただただ使用人達は、明日の職場が残ることを願っていた。



◇◇◇

(カルミン様)は単身で我が公爵家に訪問してきた。彼の両親に言えば止められると思い、相談せずに来たのだろう。侯爵夫妻は野心はあれど、貴族然とした常識は持ち合わせていたから。


「君のように身分の高い人には、最初から僕では釣り合わなかったんだ。だから、気安いカーマインに手を出してしまった。今さら何言っているんだと思うだろう。本当に済まないんだが、婚約は解消にしてくれないか?」


前回とは違い、少しリラックスして応接室のソファーに座すカルミン様。

今さら彼は、私の身分が原因の不貞だったと言い出した。話し合いの時に私がしおらしくしていたからだろう。一応謝罪してくるが、その顔は僅か緩んで悲愴感はなく、もし許されるなら、このまま婚約を継続したいと言い出しそうだ。もう既に彼の不貞があったことは、私の家族や一部の使用人には公然の事実なのに。

私の小説のモトネタが、カルミン様とカーマインだと暴露をすれば、彼らの醜聞は市井まで広がるだろう。私を何処まで怒らせる気だろう? カルミン様には、その日では決められないことだと促し、帰途について貰う。


「最後までカーマインを庇うとこも、彼女の話さえでなかったわね。彼女は私への恥も投げ捨てて、メイドになってまで貴方に会いに来たのに。カルミン様貴方は、全てを捧げた彼女に何の愛情もないと言うの?」

暗い空を見上げ私は嘆息する。

私はずっと彼のことを、剣に打ち込む素敵な人だと思っていたのに。全ての幻想が、闇夜に溶けていくようだった。



◇◇◇

再度の公爵邸での話し合いの日。

私はお父様と事前に相談していたカルミン様とカーマインが結婚することと、私が書いている小説や関連する活動に口をはさんだり秘密を漏らさないことだけを条件に、婚約解消をすることに同意した。それは偏に、小説の売り上げが好調だからである。勿論同意内容が破られれば、しっかり慰謝料を徴収する文言も付け加えてある。


これで不貞による慰謝料を、プレリュード侯爵側が支払う必要がなくなった。それに公爵家と侯爵家が共同する鉄道事業は技術者の確保が難しいので、合弁のまま続行することにもなり、侯爵家の最悪のシナリオだけは回避された形だ。


ストロベリー子爵夫妻は床に跪こうとするが、公爵に止められた。

「貴方達の気持ちは痛い程解るよ。実は侯爵夫妻にも貴方方のことを聞いたのだ。子爵家の罰は侯爵家で償うから許してあげてくれと。……それに、姪であるカーマインを預かっていたのは我が家だ。責任は私達にもあるんだ。もう謝らなくて良い。私もカーマインを、守ってあげられなくて済まない」


公爵と子爵夫人(叔母様)は、抱きあって泣いていた。

「お兄様、すみません、すみません」

「私もライチの好きにさせて放置していたんだ。当主のすべきことではなかった。すまない」


公爵は妻である公爵夫人の仕事もしており、多忙を極めていた。公爵夫人はライチのことが好き過ぎて、世界に小説を出すべく各国の翻訳家を雇い、出版販路を広げていたからだ。ライチの母は公爵夫人の仕事をすべて投げ出していた(これもどうなのかと思うが、公爵家の財政向上にも繋がっているし、目を輝かせるほど楽しそうな妻を止めることは、愛する公爵にはできないのだった)。


たださすがに今回のことで、カルミン様だけは侯爵の決定により、次期侯爵の座を弟へ渡すことになった。さんざん不満を言ったそうだが、女に現を抜かしたせいだろと父親(侯爵)に窘められて閉口したそうだ。




◇◇◇

カルミンは騎士爵を得ていたので、その身分でカーマインと結婚し同棲を開始。二人とも当初の目論見が外れ、裕福とは真逆の生活にうんざりしていた。その上、カーマインは甘やかされて育ったので、掃除・洗濯・調理全てが下手。公爵家のメイド見習いも、全く身に付いてはいなかったのだ。生家も裕福ではない子爵家なので、上の兄でもある程度できることさえ、ままならない。


「いくら妊婦だからと言っても、限度があるだろ? 食事は外食、掃除は君の母親が、洗濯してもシワシワでアイロンもかけられない。君が出来るのは、お茶を入れることだけじゃないか。それだってすごく美味しい訳でもないし、最悪だよ!」

「な、何よ。貴方も手伝ってくれれば良いじゃない。これでも私、頑張っているのに」

「なんで俺が? ふざけてんじゃねーぞ、従姉妹の婚約者に手を出すアバズレが! お前のせいでお先真っ暗だ!!」

「くうっ、ぐすん、ぐすっ」


カーマインは、出来ないなりに家事を頑張っていた。メイド時代は嘘泣きだった涙は、今は愛するカルミンに貶されて毎日頬に伝わり落ちている。一時は赤ん坊を母親が出産したことにし、ほとぼりが冷めたら別の人と結婚することを提案され彼女は迷った。でもすっかり母性に目覚めた彼女は、出産後自らで育てることを決意したのだ。


結局カルミンは他の女と浮気をして、家を空けることが多くなった。(ライチ)と婚約中の時も娼館通いは多かったようだし、平民女性との一夜だけの関係もあったそう。でも下衆な彼は、笑顔と言葉だけはタダとばかりに乱用して愛想を振りまいた。

「ああ。君が貴族だったら僕達は結ばれたのに。こんなに愛していても、僕は家の為にこの身を捧げなければならないんだ。本当は別れたくない……… ごめんよ。でも来世では、必ず一緒になろうね」

「ああ、カルミン様。私は幸せでした。泣かないで」

良い感じでお涙頂戴の演出もして、たくさんの女性を騙していたらしい。そんな感じの別れだから、醜聞になるような不利益も女性は起こさない。知られないから、次々に手を出すの悪循環。本当に最悪。


でも(ライチ)のお父様は、綺麗に女遊びが出来ることを評価し、家柄と剣の腕前もあるから私と婚約させたのだ。それを知った後は、お父様も同類じゃないかと疑った。だってお母様が不在でも文句一つも言わず、かと言ってハニトラにかかることもない。………適切に処理しているんだと思う。うわー、知りたくないわ~。


そうして臨月でもカーマインは一人で過ごし、慣れない家事に悪戦苦闘。時々母親が来て手伝い、カルミンが戻らないなら実家に戻るように促したが、彼女は頷かなかった。

「カルミン様が帰って来たら迎えてあげたい。好きになって貰えるように、家のことを頑張るの」と言って。

ある日自宅で破水し、這々の体で隣家に助けを求めた。幸いなことに親切な隣人は、産婆や家族を呼んでくれた。


「ああ、私の赤ちゃん。元気に生まれたのね、良かった。私ね、赤ちゃんの為に家事を頑張ったのよ。ちゃんと育てていけるように。お母様ができるように………」


無事に出産し我が子を腕に抱き、安堵したカーマインはそのまま息を引き取った。慣れない生活と悪阻で食事が取れず、酷い栄養失調状態だった。彼女の体は出産に耐えられなかったのだろう。


「いやーー! カーマイン。これからこの子を育てるんでしょ? 目を開けてよ!」

「そうだぞ。離婚して子爵家で育てれば良いんだ」

「赤ん坊を置いていくなよ。……可哀想だろう?」

「ああ。カーマイン、カーマイン。……全てを無くしても、結婚なんてさせるんじゃなかった。そのせいで愛しい娘を死なせてしまった………」


泣き崩れる子爵家家族は、カーマインの死を心から悔やみ、戻らないカルミンには知らせること無く荼毘に付した。



◇◇◇

カルミンが妻の死を知ったのは、2日後の新聞記事でだった。若すぎる妊婦の死と、カーマイン・プレリュードの名が記されていた。

急いで自宅に戻るも、閑散としており人気はない。カーマインの荷物は、塵も残さず引き揚げられていた。


「まさか、本当に死んだのか?」

床に跪き、熱を感じない空間を再び目に入れた。

「ああ。そう言えば、子供は? 一緒に死んだのか? 取りあえず、侯爵家に聞きに行くか」


その足で訪れた侯爵家でカルミンは、何かおぞましい者を見るような眼差しを向けられる。一応執務室に通された彼だが、侯爵家の面々は彼が敷居を跨ぐのを快く思っていなかった。


「どうした、カルミン。何か用か?」

「うん。カーマインが死んだって、新聞を見てさ。俺抜きで葬儀は終わったんだなと思って」

「ああ。それで?」

「い、いや、あのさ。赤ん坊は無事なのかなって、心配になってさ」

「お前が育てるのか?」

「いやぁ、さすがに一人じゃ無理だ。もし此処にいるなら、そのまま育ててくれ、ないかなと思って………」


さすがのカルミンも、声のトーンは落ち会話を口ごもる。自分を見るエルム(父親)の視線に、強い嫌悪感を感じたからだ。


(臨月の妊婦を置き去りにして外泊し、家にも寄り付かなかったのだろう。偶然新聞の記事を目にしなければ、まだ此処にも来ていなかった筈だ。…………何処でこんな男になったのだろう? 亡き妻の為に泣くことも、子への愛も感じられない。こんな屑に、育ててしまった………)


エルム(父親)は子の親権をストロベリー子爵に渡したことと、もう二度と彼らに近づかないことを約束させた。


「ええ。じゃあ、墓参りも駄目なの?」

どの口が!と、家族全員が思った。侯爵夫人はショックで寝付いたままだ。カルミンは母親がここに居ないことにも気がついていないようだ。何があっても、(カルミン)を擁護してきたと言うのに。


「ああ、駄目だ。お前が行けば安らかに眠れないだろう」

絶望から表情の抜け落ちた顔と、低い声でエルム(父親)は告げる。


そして最後の恩情だと言って、袋一杯の金貨と離籍届けをカルミンに見せた。

「何、これ?」

「お前は考えなくて良い。離籍届けを書けば、この金をやる。それとも絶縁状にするか?」


カルミンは目を剥き数言抗議するが、家族の表情は変わらない。やっと本気だと理解した。


カルミンが書き終えた後、エルム(父親)がポツリと呟く。

「お前は責任を放棄し過ぎた。せめてカーマインと普通に暮らしていれば、幸せになれたろうに。………すぐに隣国へ行くことを奨める。逃げ切れるかは解らないが………」



全てを諦めたような、先程とはまた違う顔を向けられ絶句するカルミン。既に侯爵家の悪評被害は広がっており、すぐ下の弟には妻がいるが、その下の弟の婚約は解消されていた。妻がいる弟もカルミンの醜聞は漏れ出ており、妻が社交界で辱しめを受けているせいで、夫婦の危機も訪れている。公爵家との事業は今の所磐石であるが、今後は解らない。荒波の中に彼らはいたのだ。


「お前は恨みを買いすぎた。すぐに身を隠すんだ。弟の元の婚約者だとて、今の年齢からでは碌な男はいないのに婚約解消したのだ。家の現状は推して知るべしだろう? そこの伯爵家だとて、お前を恨んでいて当然なのだから」


カルミンはこの時初めて、自分の状況を理解した。

家族にも、友人にも頼れないだろうことも。


最後まで家族への罪悪感も抱かず謝罪もしないまま、逃げるように踵を返したのだ。




◇◇◇

カーマインの墓前に、ライチは花束を捧げた。

花や木が生い茂り、小鳥が囀ずる楽園のような丘だ。

そして辛そうに、語りかける。


「私は最初動揺したけれど、執筆が楽しくてカルミン様のことは考えないようにしていたの。貴女のことだって、ちょっと意地は悪いけど、欲望に忠実で頑張るところは嫌いじゃなかったわ。何より、姉妹同然に育ったのだもの。小説を書いてるとね、どうしても感情移入することがあるの。あの小説では王女は美人で私とは全然似ていないのだけれど、そんなことはどうでもよくてもう王女は私自身だったの。その時ハッキリ解ったわ、私はカルミン様をお慕いしていたと。でも貴女から奪い返すなんて思えなかった。とてもお似合いに見えたから。それに私には関係ないと、逃げに回っていたのよ。………こんな卑怯者でごめんね。でも、二人に幸せになって欲しいのは本心だったのよ。それなのに、カルミン様があんなに下衆だったなんて。カーマイン、今さら遅いけど、貴方の子供は必ず公爵家が守るから安心してね。

……………………そしてカルミン様には、相応のプレゼントを贈るわ。

また報告に来るわね。カーマイン」


ライチは墓石を後にし、何かをカーマインに誓った。

滂沱の涙が止まらない彼女に、ブランが優しくハンカチを当てる。

(お嬢の心を捉えて曇らせる男は、この世に要らないよ!)


彼女(ライチ)の憂いに、ブランの他、公爵家の多くの者が胸を痛めていた。





後日新しい小説を、ハルベリー・アイランドが出版した。

題名は『愛を知らない貴方』で、身の毛もよだつサスペンスだと言う。


この本も莫大な売り上げだったが、極一部の者はノンフィクションだと気づいていた。




5/6 22時 日間ヒューマンドラマ(短編) 17位でした。

ありがとうございます(*^^*)


5/7 10時 日間フューマンドラマ すべて14位、短編10位でした。 ありがとうございます(*^^*)

17時 すべて11位、短編7位でした。

10位以内に入れました。ありがとうございます(*^^*)♪

20時 すべて7位、短編5位でした。  たくさんの方に読んで頂き、嬉しいです(^o^)/ヤッター♪♪


5/8 19時 日間ヒューマンドラマ すべて5位、短編4位でした。 まさかの4位( ≧∀≦)ノ♪ 嬉しいです♪


5/9 9時 今見たら、日間ヒューマンドラマ、すべてと短編が1位でした。ヤッター( ≧∀≦)ノ♪♪ たくさんの方に読んでいただいたおかげです。ありがとうございます♪♪♪ 14時も1位でした。読んでくださりありがとうです♪

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[気になる点] ・・・元凶は娘に股も頭も緩い男を宛がった公爵なのでは? [一言] まあ娘に「パパって不貞肯定派?と言うかしてる?きっもッー」とか思われてますし、マッマが帰ってきたら擦り合わせしたり、パ…
[一言] カルミンの存在が一番の恐怖そしてホラー…!! こっっわ!!!とゾッとしました。家族もきっとありあまる絶望と、拭いきれない恐怖すら感じたのではないのかな…。 まさかのカーマインの行く末にも驚き…
[良い点] カーマインが人として立ち直った点。 非業の死を遂げてしまったのもカルミンが悪いですからね。 ライチの筆による復讐とカルミンの末路も知りたい気がします。
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