世界的スターは普通に接してくれる友達が欲しい
俺はシューティングスターあきら。世界的スターだ。生まれもってのスターにも悩みはある。
誰もが俺をスターとして扱い、友達が出来た事がない。みんなの期待に答えるのがスターの仕事だが、たまには俺の願いも聞いて欲しい。
「……なんで俺はこんなにスターなのだ」
公園のベンチに座っているだけでオーラが輝いてしまう。
「なんだおめぇ。キンキラキンなふざけた格好しやがっれぇ!」
なんだこの呂律の回らない顔が真っ赤の絵に書いた様な酔っぱらいは?
「えっ?俺の事かい?」
「おめぇしかいねぇらろぉ!」
俺はこんなくだけた言葉遣いで話しかけられるのは初めてだ!嬉しくなってしまう。
男の名前はのぼるちゃん。のぼるちゃんはホームレスだった。
のぼるちゃんは俺の初めての友達になってくれた。
のぼるちゃんのテントで食べた残飯ぶちこみ鍋は旨かった。ありがとうのぼるちゃん。俺のベストフレンド。
「俺はねるをー」
「のぼるちゃん。俺もそろそろ帰らなくては。お礼がしたい。何か願いとかないか?」
「ばったれ!ダチに見返りなんかもとめっかい!……グォーー!」
のぼるちゃん。寝るのはやっ。
「もし願いがあったらいつでも言ってくれよ。何でも叶えてやる」
私はテントか出た。ふんっ。やはり探知機を付けられていたか、迎えの者が来ていた。
「楽しめましたか?ペポ?」
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空き缶を拾って稼いだ金で宝くじを一枚買った。これが当たらなかったら死のうと思う。
この一枚に全てを賭ける。
「おんっ?」
流れ星が光った。
「一億当たりますように一億当たりますように一億当たりますように!」
流れ星に頼るようになったらおしまいだぁ。
しかし昨日は変な夢を見た。
巨大な黄色いヒトデと鍋を食って酒を飲む夢。
何でヒトデ?
「いいよー。のぼるちゃん。任せてー」
「はいーっ?」
空耳が聞こえたので夜空を見上げると流れ星がまだ消えてない。幻聴と幻覚か?今日はそこまで飲んでないんだけどなぁ。
「しかしすげぇ光ってんな。ありゃあスーパースターだな」
なんかこの宝くじ。当たる気がするぜ。