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空を自由に飛びたいな




 ギャネットから次の段階に進むと言われた次の日、彼女は空色の鱗を持つドラゴンを伴って来た。


「やぁやぁ、随分と大きくなったね。僕はアズールだ、よろしくね」


「こんにちは、エジダイファです。エッジと呼んでください」


 アズールと私は頭を下げ合って挨拶を交わす。


「それじゃ、あたしはそろそろ行くわね。頑張ってね、エッジ」


「あ、はい。ギャネットさん、ありがとうございました!」


 飛び立つギャネットをアズールと見送った後、彼と向き合うと次の訓練の内容を告げられた。


「それでは、空の飛び方を教えていくよ」


「はい! よろしくお願いします!」


 いよいよ! いよいよ、空を飛べる!


 体が成長してから何度か翼を動かして飛べないものかと試してはいたのだが、さっぱり浮く気配がなかった。


 そのことをアズールに伝えると、


「あっはっは! 僕たちドラゴンは羽ばたいて飛んでいるんじゃないんだ。魔力でもって宙に浮いているというのが正しいね」


「魔力で……宙に浮く?」


 いまいち、ピンとこなかった。


「よし、順を追って説明しよう。まず、幼体の時の魔力は体中を駆け巡っている。ここまではいいね?」


「はい」


「この状態だと、魔力の制御も上手くいかないし体の成長を妨げるから、飛べないし飛ばない。でも、成体になると……体内の魔力はどう感じる?」


 言われて、私は体の中に意識を向ける。


「……体内を満遍なく魔力で満たされています。あと、お腹の辺りに魔力が溜まっているのも感じます」


「その状態が、ドラゴンの自然体だ。そして、溜まっている魔力を追加で注ぎ込むことで僕たちはより強くなる!」


 そう言うアズールの爪や牙が伸び、鋭利になっていく。


 やって御覧? と促されたので、私も自分の爪と牙に魔力を流し込む。


 すると、私の爪と牙も鋭く伸びていくではないか!


 ……鋭利すぎてちょっと怖いな。爪は自分で自分を刺しそうだし、牙はうっかり自分の舌を噛み切りそうだ。


 爪は戦闘には便利そうだし、牙は硬い食べ物があった時には重宝しそうだな。要所要所で使っていこう。


「で、だ。この要領で翼に魔力を込めると――」


 アズールの体がゆっくりと浮いて地面を離れた。


「?!」


 慌てて、自分の翼に魔力を務めてゆっくりと込めていく。


 ――ふわり。


 浮いた。


 浮いた! 浮いた! 浮いた!


「あははははははは!」


「翼への魔力の込め方で進み方も変わるから、色々試してみるんだよー。あと、方向を変えるときは尻尾も使うといいよー。」


「はーい!」


 ハイテンションのまま飛び回ったおかげで、私は無事に空の飛び方を習得した。






「そうだ、エッジ」


「はい?」


 空を飛べた高揚感と飛び回った心地よい疲労感を味わいつつ地面に寝転がっていると、アズールが話しかけてきた。


「蓄積した魔力残量には常に気を配るんだよ。そうそう無くなることはないだろうけど、無くなりかけたら食事をとってしっかり補充するんだよ」


「はい、わかりました。気を付けます」


「うん。それじゃあ、教えるのはここまで。あとは自分での練習あるのみだよ」


「はい! ありがとうございました!」





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