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もりもり育ちます

2話投稿時点でいただいていた感想に、今更ながら目を通しました。

手厳しい言葉があったら心が折れちゃうなと思って、見るのを躊躇していましたが、暖かい感想をいただいていました。

この場を借りて、お礼申し上げます。




 火を吐く練習を規定回数こなした後、特にやることもないので寝るときの体勢でうつ伏せ以外にしっくりくるものがないか探っていると、いつの間にか寝入ってしまったらしい。


 体が凝り固まっている感じがしたので、うーんと体を伸ばしていると。


「おはよう、エッジ」


「おはようございます、ギャネットさん」


 ギャネットが果物山盛りの籠を抱えて現れた。


「さ、今日のぶんよ。しっかり食べなさい」


「はい! いただきます」


 運ばれた果物を食べる。


 前世でもよく見た果物、林檎、蜜柑、洋梨、和梨、桃、などに似た果物に始まり、おそらくこちら独自の果物である真っ青な真四角形、奇麗な紫色の三角錐形、黄色と緑色が斑になった円柱形、桃色と赤色が縦縞に入った紡錘形、など実にバリエーションに富んでいる。


 でも。


 でも、である。


 食べさせてもらっている身でこんなことを言うのは気が引けるんだが……。


「あの、ギャネットさん……」


「ん? なぁに?」


「果物だけじゃなくて、他の食べ物って……ありません?」


 果物は確かに美味しいんだけど、長期間に渡って続くとなると飽きが来てきついかも知れない。


 加工品はさすがに無いだろうが、ドラゴンなんだから肉を食べてみたい。


「あぁ~。実は……龍の巣にドラゴン以外の生物っていないのよ」


「えっ、そうなんですか?!」


 ギャネットが語ってくれた龍の巣の歴史によると、最初期には動物もいたようだ。しかし、龍の巣が空に浮かんだ時に幼体だったドラゴンや、その後、新たに生まれたドラゴンに食わせていった結果、だんだんと、その数を減らしていったらしい。


 それに、動物は飼育の知識がないと碌に増やせないが、果物であれば土地に魔力が満ちていれば放っておいても勝手に育つ、とはギャネットの弁。


「それに、こんなに食べるのはあと数回よ。……ちょっと立ってごらんなさい」


「???」


 言われるがまま、すっくと立ちあがる。人のように二本足で立ちあがるのではなく、前足後ろ足の四本足で。


「あれ? 視界が高くなっている?」


「ドラゴンって成長が早いのよ、この世界でもかなり上位の存在だからね。早く強くなることを宿命づけられているのかも」


「なるほど」


 生まれた直後が一番弱い時期だからね。


 大陸を切り取ったり、あまつさえそれを浮かせるような存在がこれ以上増えないようにと排除される前に強くならなきゃいけない、ってことかな。


 ……強かったら強いで、苦労があるんだなぁ。


「ここなら襲われる心配もないし、成長はゆっくりでもいいんだけど……。あなたはなるべく早く下に降りたいみたいだし?」


「あはは……」


 アル爺から聞いたわよと言うギャネットに、少々ばつが悪くなり苦笑いを浮かべるしかできない。


「ここにいる限りは安全だけど、早く下に降りたいなら多少の不満は果物と一緒に飲み込みなさい。ね?」


「はい」


 そして、私は食事に関して不満をもらすことなく、訓練をこなした。


 果物を食べ、火を吐く練習をし、ぐっすりと眠る。


 それを5回ほど繰り返した時、私の体はギャネットと同じくらいの大きさにまで成長していた。




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