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異世界!無双されし廃パーティー めるふぃす  作者: 水無 藍
1章 アリアと未踏のダンジョン
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9話 E級の魔物

 いつも通りのルーティンでメルクは森へ向かう。今日はE級の魔物 フォレスト=ボア を討伐する予定だ。レベルが6になったため倒せるだろうと。

 レベル上げの基本は効率にある。限られた時間でどれだけ倒せるかではなく、どれだけ経験値を獲得できるかが重要になる。


(ボアを楽に狩れれば一番効率がいいんだけどなー)


 メルクは歩きながら経験値獲得の効率を考える。

 森へ入って直ぐに3体のゴブリンに出くわした。


「「「グギャギャギャ!」」」


 4体のゴブリンはスキルを使わずとも倒せるようになったメルクは、準備運動のつもりでゴブリンに斬りかかる。


「ほいや!」


「グギィー!」


 1体のゴブリンの首を跳ねる。その間にゴブリンが3体同時にメルクへ襲いかかる。


「「グギャギャ!」」


「おおおりゃ!」


 3体のゴブリンが振りかざした手と首が宙を舞う。

 メルクは無理に攻めたかのように思えたが、ゴブリンのスピードを計算してのことだ。メルクにとってゴブリンはもう敵ではないようだ。


(お、レベル上がったかな?)


 メルクはステータス画面を開く。


【 ゴブリン を4体倒しました。 経験値48EXPを獲得しました。 】

【 メルクはレベル7に上がりました。 】

【 ステータスが 体力+3、魔力+4、力+3、耐久+3、敏捷+2、知力+4 上昇しました。 】

【 スキル フレイムバスター を取得しました。 】



(スキルが増えたぞ!風属性の次は火属性のスキルか!)


 スキルが増え満足顔で魔石の回収を進める。まだ慣れない手付きだが、慣れないのはゴブリンの臭いのせいかもしれない…


 魔石を回収し終え、ボアを探しに森の奥へと入り込む。

 メルクは歩きながらステータス画面を見つめる。


【名前】  メルク・アクレイド 8歳

【レベル】 7

【職業】  魔剣士

【ランク】 F   


【体力】  22

【魔力】  20

【力】   18

【耐久】  15

【敏捷】  10

【知力】  25


【パーティー】 めるふぃす

【経験値】 182/231EXP


【スキル】

 ・ウィンドスラッシュ

 ・フレイムバスター



(レベルアップに必要な経験値が2割ずつくらい増える計算か)


 ゲームによってレベル上げの難易度は異なる。レベル上げが難しいゲームでは、敵が異常に強かったり、敵の出現率が異常に低かったり、必要経験値が倍々に増えていくゲームもある。

 メルクの経験上では、この世界はイージーモードに近い設定と思った。


 そんな矢先、目的としていた、フォレスト=ボアが前方に姿を表した。

 まだメルクに気付いていないのか、ノシノシと重そうな体を引きずり徘徊している。


(早速新スキルを試してみようか)


 メルクはゆっくりとボアに近づいていく。ボアまで20メートル程まで近づいた時、ボアはこちらに気付き鼻息を荒げる。


「グモォー!グモォー!」


 ボアは怒りの表情に変わり、猛突進でこちらに向かってくる。


「グモモモォー!」


(げ、こっちにきた!)


 メルクは剣に魔力を込め、スキルを意識する。すると剣が真っ赤な炎を纏い(まと)はじめた。不思議と熱くはない。

 猛突進してくるボアを正面から受け止める。


「フレイムバスター!」

「グモォー!」


 剣はボアの鼻生える2本の角にぶつかる。すると同時に爆発したかのように炎が吹き出す。

 メルクは衝突なのか爆発の影響なのかわからないまま後方に飛ばされる。


(痛っ、すごい衝撃だったな)


 メルクは顔を上げて状況を確認する。


(体力は2しか減ってないか)


 ボアは顔がまだ熱いのか地面に顔を擦り付けている。

 顔周辺はこげているのか真っ黒になり、2本の角は灰になったのか無くなっている。


(この威力で魔力消費は3だけか…)


 メルクは安堵する間もなく、止めを差すためボアに近づく。

 

「ウィンドスラッシュ!」


 無数の鎌鼬鎌鼬(かまいたちい)がボアを襲う。体中を斬りつけ血飛沫血飛沫(ちしぶき)が舞う。


「グモモモォー!」


 不意の攻撃にボアは苦しみの雄叫びを上げる。まだ倒れないため、メルクは追撃を食らわす。


「ウィンドスラッシュ!」

「グモッー!」


 真っ赤に染まったボアはデカイ図体をドカンと地に倒した。


「流石にE級の魔物だな」


 F級のゴブリンとの力差を見せつけたE級の魔物、

 低ランク冒険者はパーティーを組まないと倒せないだろう。

 そんなことをメルクが考えていると、ステータス画面にログが流れる。


【 フォレスト=ボア を1体倒しました。 経験値72EXPを獲得しました。 】


……


(レベルがうなぎ登りだな)


 メルクはベッドの上でステータス画面を見つめる。

 その日は結局、ボア3体とゴブリン3体を倒した。レベルが上がると体力と魔力が全快するため、スキルを出し惜しみなく使用できた。

 

 メルクはレベルが10に上がったことで新しいスキルを取得した。まだスキルを使ってないが名前からして雷属性のスキルと考える。



【名前】  メルク・アクレイド 8歳

【レベル】 10

【職業】  魔剣士

【ランク】 F   


【体力】  34

【魔力】  35

【力】   27

【耐久】  24

【敏捷】  16

【知力】  40


【パーティー】 めるふぃす

【経験値】 434/464EXP


【スキル】

 ・ウィンドスラッシュ

 ・フレイムバスター

 ・サンダースマッシュ


 

(新スキルでさらにレベル上げが捗るな)


 ボアのけいけんがおいしいため、しばらくの間はボア中心の狩りで十分だなとステータス画面を見ながら呟く。

 魔物の魔石は回収して集めているが、ボアの肉等は荷物になるため回収はしていない。異世界ならではのアイテムバッグを思い出し、今度ギルドで聞いてみることにした。


 いつも通りにあれこれ考えているうちに、いつのまにか眠りにつくのであった。

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