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人形少女は愛を知る  作者: 音夢
人形少女は保護される
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プロローグ

音夢です。

過去に書いて、削除したもののリメイク版です。

皆様に楽しんでいただける作品を目指して頑張ります。

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

暗くて冷たい檻の中が私の世界だった。


薄暗い不気味な牢の中はいつだって恐怖の対象で、自分が何者なのかもわからなかった。

ただ、私はそこにいた。

暗闇のなかに一人。

両手両足を繋がれて。

いつからなのかもわからない。

気づいたときには私はそこにいた。

ここに訪れる人々は私を化け物と蔑み、嘲笑い、暴力を奮った。

自由なんてものはどこにもなかった。

どうしてそんなことをされるのかわからなかった。


なんども許しをこうても


助けを求めても


誰も助けてくれなかった。


お前が化け物だから、気持ち悪いから、私はお前を生かしてやっているのだから少しは役に立ったらどうだと罵声を浴びせられた。


辛かった。


なんども死にたいと思った。


いっそ一思いに殺してくれと願った。


でも神様はそれを許してくれなくて


神様が与えてくださったこの体は死ぬことを許してくれなくて


いくら傷つけられても


水も食事も与えられなくても


この体は息ながらえつづけた。


どうしようもないほどの激しい空腹と虚無感を残して


体の傷がなくなっても


暴力が消えることもなかった。


私自身が本当の意味で癒えることもなかった。


ただ辛いだけだった。


それでも#死__救い__#が来ることはなくて


ただただ耐えて


耐えて


耐え続けて


私は次第に声を出すことをやめた。


抗うことをあきらめた。


いつの間にか私はなにも感じなくなった。


体は痛いけれど、なにも感じない。


もう痛くない。


苦しくない。


辛くない。


あぁ……そうだ。


なんでもっと早くこうしなかったんだろう。


もっと早く#心__・__#なんてなくしてしまえば


あの辛い日々もなんでもないように感じることができていたのに……。





そうして私は生き続けた。


暴力や罵倒が止むことはなかったけれど


もうどうでもよかった。


ある人が私を見てこういった。


「お前はまるで人形だな」


人形……それでいい。


そうすれば、この現実を忘れられるから。


私は人間じゃない。


人形なんだ。


空っぽなお人形。


そして今日も彼らの遊びの時間がやってくる。


残酷な人形遊びの時間がやってくる…………。






人形は壊れ、朽ちていく。


それがきっと#人形__私__#の終わり。


だから早く#救い__死__#をください。


だって私はいらないもの。


そんな#私__役立たずな人形__#はいらないでしょ?


ねぇ、神様


どうしたら私は死ぬことを許されますか……?

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