prologue‐1 Misery
皆さんこんにちは!
小説を小説を読もうと思ってくれてありがとうございます!
投稿ペースは一週間に1〜2話ペースで投稿していきます!
僕は不幸だと思う。
何をしても上手く行かない。
勉強を頑張ったら全く違う所の問題がテストに出る。運動を一生懸命したらそれに比例して擦り傷が増えるしその成果は微塵も出ていない。今だってそうだ。小さな子供が道路に飛び出して、それを庇って僕が車に轢かれたのに子供に傷が出来たと親が僕を責め、車の運転手は車についた傷を何とかしろと・・・弁償しろと言ってくる。
近隣の住人は皆僕を目の敵にしていて誰も庇ってくれない。学校でも僕の居場所なんてなかった。
何をやっても裏目に出て、僕を庇ってくれる人なんて人っ子一人いやしない。いや・・・御方って程でもなかったけれど、お母さんは僕を執拗に責めたりはしなかった。だけど家に居る時は父親に貶され、姉は何かにつけ怒鳴ってきた。
もしかしたら、僕は世界そのものに嫌われてるのかもしれない。
「聞いているのか!?この車は七百万も掛かってるんだぞ!?お前、この傷どうしてくれるんだ!」
―――聞いてるのかよおい!
繰り返し、繰り返し、機械の様に同じことを言い続ける男の決まり文句が途中で聞こえなくなった。
ふと周りを見ると、視界の半分以上をトラックが占めていた。運転手は居眠りでもしているのか目元が細くなっている。トラックはおよそ時速七十キロほどの速度で僕の視界を占領していく。
自殺なんて、一回も成功しなかったのになぁ。
そんな的外れなことを考えながら。絶望的な状況だというのに、命の保証すらない状況だというのに僕は、いつも通りの微笑を浮かべていた。
―――某月某日、日が地平線に沈み始めた頃、森の森林に紛れて一人微動だにせず遠くを眺めていた。いや、第三者が見ればそう取れるかもしれないが実際はその体に意識はなく、目に生気は宿ってない。良く出来た彫刻と言われれば信じてしまいそうなほどだ。
日が半分ほど地面に飲み込まれた頃、その彫刻に生気が宿った。しかし、やはりその彫刻は微動だにしない。だが、その目は左上辺りをたっぷり十秒ほど彷徨った後、焦点が中心に戻る。
彫刻はゆっくりと、言葉を発せるために唇を震わせる。
「・・・ここは?」
少年は、いつの間にか森の中に立っていた。
これからも頑張りますので是非応援お願いします!
感想お待ちしております!
誤字脱字があった場合も教えてくれると助かります