静かな夏の日 しがない心
静かな夏の日
穏やかに時が流れ
太陽が照りつけ
景色たちが光る
大空を鷹がゆっくりと舞い
なにもかもがゆるりと過ぎる
虫たちの鳴き声も
時空にともない
静かに思え
騒々しいはずの
いろいろな音が
穏やかに織り成される
暑さは感じるものの
心は至って穏やかになる
スローに流れる
部屋の音楽が
彩りを添える
ペンも流れる
汗も流れる
静かに流れる
しがない心
山田詠美をひとしきり読んで
煙草を吸って 窓を開け
空を眺めると
欠けている月
自分を投影している
読んだのは待ちぶせ
しがないホステスの話
もし 自分を映し出してくれる
鏡があるのなら
どのようになるのか怖い
人の心は誰でも欠けているんだろうか
オレの悩みは贅沢か
ある画家の自画像を思い出す
いつの間にか 雲に覆われてしまった
欠けている月