1.3 チートのすすめ
「ところで、折角ここにきたのですから、何か能力ほしくないですか?」
オタクからすればわくわくするセリフとは裏腹に棒読みになっていることは公言しておこう。
「できれば、早く現実世界に帰れる能力が欲しいです」
「ないです。だってあなたみたいな変人を除いて異世界に来た人がそんな能力を欲しがるわけないですし、マニュアルにも書いてないです」
さすがオタクのゴキブリホイホイ。どんなチート能力があるといっても、俺みたいな切実で適切な願いを持った人はいないのか。あともうマニュアルとか言われても突っ込まないぞ。うん。
「おすすめはですね」
もらうこと前提になってんのかよ。
「定番的には、能力無効系や無属性魔法といったところでしょうか?なんか女の子(男の娘や獣系含む)がやけにたかってくる能力も人気があります」
「後者のやつ実用性があんのか?」
「もちろんですよ。訳アリの戦闘力が高めの女の子がたかってきますから。ちなみにハーレムものがいやでワンヒロインとべたべたイチャイチャしたいのであれば、そう設定しておきますが?」
「結構でございます」
笑顔で断固拒否。嫌なものははっきり言葉に出して答えましょう。
「まあ、わかりましたので、早く決めてくれませんか?」
自分で言うのも変だが圧倒的既視感。知らねーよそんなもん。
社会不適合者と違って個性がなくて、チートが欲しいとか思ったことねーし。憧れたことすらない。
「あっ!」
自分が訳の分かんない質問をしていることに気が付いたか?
「私を従者にするとかはだめですよ」
あっさりと俺の願望が壊される。
うん。お前みたいなのが近くにいるだけで疲れるし、まずハーレム能力以上にないな。というかそんな発想すらないわ。
こんばんは!中学の化学です。
超不定期で亀更新すみません。(そもそも見ていらっしゃる方がいるかはわかりませんが)
稚拙な言葉や不快にするような表現があったらすみません。
温かい目で見守ってくれると幸いです。
これからも超不定期になるかもしれませんがよろしくお願いします。