1.2 なんだよこの理不尽世界は!
「そんな悩んだ末に俺ですか」
「ていうか、そんなめんどくさい所に連れてきたのはどこの誰だよ」
もうこいつだめだ。もう泣きそうだ。
「そもそも異世界どこ?どういう仕組みになってんの?」
「でました、小学生にある『いつどこで何時何分何秒地球が何回回った日』的な質問」
「うっ………」
意外と理にかなってる女神がむかつく。
「まあいいでしょう。説明してあげましょう」
「どうせ、異世界とかいうんだろ?」
「ふふふ」
気味悪いしなんかキャラ変わりすぎだろこいつ。
「そもそも地球が座標であらわされているのはご存知ですよね?」
「もちろん」
「異世界は座標で言うならば虚数であらわされています。つまり、ここは地球から絶対観測できません」
「ほう」
そんなのはくそどうでもいいが、
「要するにお前はどうやって俺を連れてきたの?ぱっと見無理げーじゃん。あと帰る方法オシエロ」
「座標がねじ曲がんないと無理です」
「君、さらっとやばいこと言ったよね?」
「まあいいじゃん」
口調まで雑になってきやがってるし
「要するにここから脱出する方法は座標を捻じ曲げないと無理と」
「さらにいってしまうと、こっちに来るのは簡単なんですよ。皆来たがってるから。逆に帰りたいとか言ってるのがあなただけなんですよ」
簡単に言ってしまえばこうだ。電車の本数が「異世界」行きはオタクのおかげでたくさんあるが、帰りの電車は俺ぐらいしか帰りたがらないから、本数が少ない。
まあオタクにとっては異世界俺にとっては、異世界といったところか。